有名なパリの地下鉄。いまその構内ではフランスの若きミュージシャンたちが、ライヴで生の音を響かせています。しかし、乗車したくても張りめぐらされたパリのメトロポリタンにはナビゲーターが必要なのも事実。このコーナーではシャンソンの水先案内人を大野修平がつとめます。
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サラヴァ・フォー・カフェ・
      アプレミディ

《Saravah for Cafe Apres-midi》

 オーマガトキ OMCX-1071

〈収録アーティスト名〉

  1. ピエール・バルー
  2. バーデン・パウエル
  3. ピエール・アケンダンゲ
  4. バルネ・ウィラン
  5. ル・トリオ・カマラ
  6. G.アルヴァニタアス+M.グライユール
    +M.ヴァンデール+R.ユルトルジェ
  7. アレスキ&ブリジット・フォンテーヌ
    etc. 全25曲

   
サラヴァ・フォー・カフェ・
      アプレミディ 2

《Saravah for Cafe Apres-midi 2》

 オーマガトキ OMCX-1074

〈収録アーティスト名〉

  1. バロック・ジャズ・トリオ
  2. ナナ・ヴァスコンセロス+
    ネルソン・アンジェロ+ノヴェリ
  3. フランソワーズ・アルディ
  4. アラム・セディフィアン
  5. キャロル・ロール
  6. ジョエル・ファヴロー
  7. ブリジット・フォンテーヌ&
    ジャック・イジュラン
    etc. 全23曲
   

 フランスで最初のインディーズ・レーベルだったサラヴァがこれまでにリリースした数多くのアルバムやシングルのなかから、選りすぐりのレアな音源をふんだんに使って素敵なコンピレーション・アルバムができ上がった。しかも、2枚も。
 聴き逃していた音楽や、どこかに失くしてしまったレコードに入っていた曲などに再会できる。たとえようもない喜びだ。

 オープンマインドな総帥ピエール・バルーの、人間と音楽への深い愛情と信頼に導かれて、才能溢れるアーティスト、ミュージシャンたちが、サラヴァにこれほどまで珠玉のような録音を残していた。
 1960年代からこんなに豊かな音楽活動がこのレーベルで繰り広げられていたという事実。コマーシャリズムとは一線を画しながら、サラヴァが独自の道を歩んで来たことが改めて分る。

 アーティストの顔ぶれや音楽のテイスト、傾向や表現のスタイルは多岐にわたっている。
 それぞれの音楽に驚きがあり、ユーモアがある。そしてまた、どの音にも人間の血が通っていて温かい。どの音楽も、多様性とそれぞれの独自性を失うことがない。そう、サラヴァはコンヴィヴィアルなレーベルだ。
 もともと音楽には、見知らぬ人同士をも結びつける魔法のような力がある。これらのユニークなアーティストの作品が集まることにより、全体として醸し出される“サラヴァらしさ”はさらに魅力的な魔法だ。

 ひとりひとりがサラヴァの音であり、そうした音が寄り集まってひとつの大きな“サラヴァらしさ”を形作っていることを暗示したいので、あえて個別の楽曲やアーティストのことには触れない。落ち着いた気分で1枚ずつ、最後まで聴いてもらえれば自ずと感じられることと思う。