気になる調査結果が目についた。
内閣府が実施した「文化に関する世論調査」。毎日新聞に掲載された記事がインターネットの"Mainichi INTERACTIVE"(http://www.mainichi.co.jp/)にも転載されたものだ。
記事によると、内閣府がこれを発表したのは24日のことだという。で、さっそくその詳細を知りたくて内閣府のサイト(http://www.cao.go.jp/)に飛んでみた。ところが「新着情報」などの項目を見ても、目指す情報が見あたらない。
いつも不思議に思うのだけれど、行政組織によるこうした新しい調査結果は新聞には早々と出る。が、当の組織が運営するサイトにはまだ顔を出していないということがよくある。どうしてなんだろう。新聞は社会の公器なのですべてに優先して情報を流すことになってるんだろうか。国民の「知る権利」は守られているのやら、いないのやら。
それはともかくとして、"Mainichi INTERACTIVE"よると昨年11月に行なわれた「文化に関する世論調査」では、情けない結果が報告されている。
「年間のうち一度でも劇場、映画館や美術・博物館などに足を運び、映画や公演、美術作品などを鑑賞した人は50.9%に留まった」というのだ。96年の前回調査より3.5ポイント減少したことになるそうだ。鑑賞しなかった人に複数回答で理由を聞いたところ「時間がなかなかとれないから」が47.1%で5.1ポイント減少。「あまり関心がないから」は39.5%と11.7ポイント増加という結果。
また、過去1年間に公演や作品を鑑賞した人の内訳(複数回答)は、(1)映画(24.7%)(2)音楽(23.4%)(3)美術(18.4%)(4)演劇・演芸(12.9%)となった。
景気がなかなか好転しないせいだろうか、日本人は文化に目を向ける余裕がなくなっているかのようだ。悲しむべき事態と言いたい。「人はパンのみにて生きるにあらず」と僕は信じているから。
それでも映画は微増しているというから、まぁ、望み無きにしもあらずといったところか。
先週金曜日、日活宣伝部のOさんからお誘いいただいて試写会に行った。
本郷三丁目にある同社本社試写室で観たのは、《B comme Bejart》(ベ コム ベジャール)。仮に訳してみれば『ベジャールのB』ということになる。バレエの振付師モーリス・ベジャールの2001年2月から6月までの日常を追った、マルセル・シューバッハ監督のドキュメンタリー作品だ。
映画のなかでジャック・ブレルとバルバラのシャンソンが使われているので、それらのタイトルを知りたいと、Oさんに言われた。
こういうのは楽しい。果たして自分の持ち合わせている知識がどこまで通用するものか、試されるからだ。ちょっとしたクイズみたいなものだ。曲目が分ったら嬉しい。が、反対に分らなかったら「あんたそれでも専門家なの?」と疑われてしまいそうで怖い。そんな相反する気持ちを抱いて会場へ行った。
始まった途端、「ボレロ」という文字が画面に出る。ベジャールが1961年に発表した作品だ。作曲したのはラヴェル。そういえばラヴェルのファースト・ネームもモーリスだったっけ。
クロード・ルルーシュ監督映画『愛と哀しみのボレロ』でジョルジュ・ドンが踊っていたことをふと思い出した。
《B comme Bejart》は「ボレロ」を踊る男女のダンサー二人のシーンから始まる。片方ずつの全身の動きをなめるようにして映し出してゆく。引き締まった肉体。躍動する筋肉。にじむ汗。優雅にも見えるバレエがいかに激しい運動であるか、ということに気づかされる。
1927年1月1日生まれのモーリス・ベジャール、今年77歳。画面からは年齢を感じさせない、エネルギッシュな仕事ぶりが伝わってくる。本物のクリエーターだけが持つ熱気が、まなざしにも、仕草のひとつひとつにみなぎっている。
ローザンヌがベジャールの活動の根拠地。スタジオも併設されたオフィスの内部にカメラは入ってゆく。秘書とのスケジュールの打ち合わせ、リハーサルの様子など、彼の日常が観客の目にさらされる。
最初に流れたシャンソンは、ブレルの「春に」"Au printemps"。「春、春には/僕の心ときみの心が白ワインの色に再び染まる」。
「いつ帰って来るの」"Dis,quand reviendras-tu?"(バルバラ)、「ローザ」"Rosa"(ブレル)、「華麗な千拍子」"La valse a mille temps"(ブレル)「黒いワシ」"L'aigle noir"(バルバラ)、「赤い服の男」"L'homme en habit rouge"(バルバラ)、「脱帽」"Chapeau bas"(バルバラ)、「行かないで」"Ne me quitte pas"(ブレル)…。
バルバラとブレルのシャンソンをベースにバレエが組み立てられ、ステージに載せられるまでをカメラは追う。
ベジャールの演出には妥協がない。野外ステージでも、自分の望むものが出ない場合は癇癪を起こす。スタッフやダンサーを叱り飛ばす。物凄い気迫だ。単なる気紛れやわがままではない。力があるのにそれを出し切っていない人たちへの苛立ちが噴出するのだ。ベジャール流の叱咤激励なのだろう。
ラヴェルのファースト・ネームが縦糸としてベジャールの名前に隠されているとするなら、横糸には彼のほかに三つのBという苗字が潜んでいる。バルバラ Barbara、ブレル Brel、そしてバッハ Bach 。彼らのシャンソンや音楽が縦横にちりばめられ、ベジャールの手によって編み上げられてゆく。その創造のプロセスに参加しているような感覚にひたれる映画だ。
ブレルやバルバラのシャンソンが歌い上げる内容をベジャールは心で受け止めている。それは単に彼らのシャンソンのテーマを頭で理解しているということに留まらない。彼らが歌う真実を自分の心と身体で生きているのだ。だから彼の内面から生み出される振付は、高い山から流れて来る川のように自然に見える。
バルバラとブレルのシャンソンが肉体を持って観る者の心に迫ってくる感動的な映画と言える。
5月、恵比寿ガーデンシネマで公開されるという。バレエファンばかりでなく、シャンソンファンもぜひ観てほしい作品だ。
♪Petites Annoces♪
「ヴィヴ・ラ・ルプリーズ 2004」のお知らせ "VIVE LA REPRISE 2004"
・「ヴィヴ・ラ・ルプリーズ」はパリで毎年行なわれているシャンソン・フランセーズのコンクールです。10回目を数える今年も、サントル・ド・ラ・シャンソン Centre de la chanson とサントル・ワロニー=ブリュッセル Centre Wallonie-Bruxelles が共催します。
[日時]2004年4月29日(木)・30日(金)
[会場]サントル・ワロニー=ブリュッセル Centre Wallonie-Bruxelles
46 rue Quincampoix 75004 Paris, France
[参加条件]18歳以上であればアマチュア、プロ、フランス人または外国人でも構いません。ただし、フランス語で歌うこと。次の課題曲をCDに録音してサントル・ド・ラ・シャンソン事務局に提出してください。
CDには3曲を収録してください。
・これまでにレコーディングされているシャンソンのレパートリー全体から1曲。
・未発表曲(レコーディングされていないもの)を1曲。
・「街」をテーマにしたシャンソンを1曲。
[CD提出期限]2004年4月2日(金)
4月29日(木)14h00から公開オーディション。
4月30日(金)20h30からオーディションに残った7名による決戦。第2部ではクロード・スメルのショーがあります。
[各賞]サントル・ド・ラ・シャンソングランプリ、ADAMI賞、SACEM賞、UNAC賞。
シャルルロワ・シャンソンビエンナーレ・ド・ブリュッセルからのパートナー賞。
観客賞が該当者に授与されます。
申込み用紙は1月末に発行します。詳しい情報およびCD送付先は下記サントル・ド・ラ・シャンソンまで。
Centre de la chanson http://www.centredelachanson.com
24 rue Geoffroy l'Asnier - 75004 PARIS
Tel. (+33)01 42 72 28 99 - Fax(+33) 01 42 72 92 19
contact@centredelachanson.com
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VIVE LA REPRISE 2004
Centre de la chanson et Centre Wallonie-Bruxelles presentent
VIVE LA REPRISE
10e edition du tremplin des interpretes
Les 29 et 30 avril 2004
au Centre Wallonie-Bruxelles
46 rue Quincampoix - Paris 4e.
Condition de participation
Le tremplin est ouvert aux amateurs et professionnels, de 18 ans et plus, francais ou etrangers chantant en langue francaise.
3 chansons sur CD
1 chanson issue de l'ensemble du repertoire enregistre
1 chanson inedite de creation
1 chanson sur le theme : La ville
Date limite de reception des dossiers : vendredi 2 avril 2004.
Auditions publiques le jeudi 29 avril a partir de 14h.
Finale (7 artistes) vendredi 30 avril a 20h30
suivie du spectacle de Claude Semal
Le jury decernera, le grand prix du Centre de la chanson,
le prix de l'ADAMI, le prix de la SACEM, le prix de l'UNAC
le prix des partenaires : Charleroi Chansons et Biennale de la chanson de Bruxelles
Prix du public
Dossier d'inscription sur demande fin janvier
Centre de la chanson http://www.centredelachanson.com
24 rue Geoffroy l'Asnier - 75004 PARIS
Tel.(+33) 01 42 72 28 99 - Fax(+33) 01 42 72 92 19
contact@centredelachanson.com