やはり多くの人たちが「何となくおかしい」感じているように見受けられる。自衛隊のイラク派遣問題だけじゃない。現代日本語のことだ。
一昨日の夜、そうした日本語の現状をとらえた番組を「スーパーテレビ」(日本テレビ)でオンエアした。タイトルはちょいと長い。「今、あなたは正しい日本語を使っていますか。若者言葉にマジ仰天? 流行の裏側」。視聴者の興味をそそる言葉が並んでいる。
そもそも、妙な日本語を日夜垂れ流しているのはTVやラジオだという気がするんだけどなぁ。まぁそれはともかく、多角的な取材に基づいた面白い番組になっていた。
相変わらず若者たちの間で「超〜」「きもい」「ムカツク」などという言い方の勢いは衰えていない。僕の耳にはまるで快く響かないんだけれども。
番組では「うざい」「うざったい」という言葉のルーツを探っていた。若者たちが「鬱陶しい」という気分を表わすように使っているこの言葉、実は東京・奥多摩地方の山村部で昔から使われていた。元は気持ち悪い、といったニュアンスだったようだ。この地方で育った子供たちが都内の高校に通うようになり、広まったらしい。
「マニュアル言葉」とでも分類したくなる、ある種の営業用語がよく取り沙汰される。チェーン展開しているファミリーレストランなどで日常的に連発されている言い方だ。
客が店に入り、テーブルに着く。店員がオーダーを取りにやって来る。客はあれやこれやと注文する。聞き終えた店員は確認作業をする。「○○、××、△△、以上でよろしかったでしょうか」。僕などは戸惑う。えっ、まだ頼んだ物が目の前に来てないのにもう過去形なの?
お目当ての食べ物や飲み物が来る。と、店員は言う。「こちら○○になります」。あんた、水をコーヒーに変えたりしたのなら「〜になります」と言ってもいいけど、マジシャンじゃあるまいし、それって変じゃないの?。
腑に落ちない気分でレジへ。代金を支払おうとすると、また妙な言葉を浴びせられる。「1万円からお預かりします」。どうして「1万円お預かりします」じゃいけないんだろう?釣り銭を渡す時も「1000円になります」。またしてもマジシャン登場だ。渡した紙幣が姿を変えて戻って来るんだから、「〜になります」も当たらずと言えども遠からず、かな。
こうした「マニュアル言葉」は客を不愉快にさせないために考え出されたものらしい。でも、その効果ありやなしや。いささか疑問を呈さざるを得ない。
江戸の昔、吉原では花魁がお国訛りを表に出さないために「〜でありんす」といった廓言葉を操ったと伝えられている。ある種の「マニュアル言葉」と言うこともできるだろう。でもこれはまぁ、非日常的な環境で使われるのだからそれなりの趣もあったろうと想像できる。
が、レストランというごく日常的な場での妙な「マニュアル言葉」は何とかならないものだろうか。
番組ではいくつかの言葉を見せながら、街行く人々に問いかけていた。取材者が示す表現が正しいか、間違っているかというもの。
「来客が来る」「過半数を超える」「まず最初に」「宿敵のライバル」「思いがけないハプニング」。
これ、全部間違い。「古(いにしえ)の武士という侍が馬から落ちて落馬して…」式に、同じ意味の言葉が重なっているからだ。
ところが、マイクを向けられた中高年の男女のほとんどが答えられなかった。これじゃ日本語の乱れを云々できないじゃないの。
もうひとつ、読み方を問う例もあった。相手はまたしても中高年が多い。
「間髪を入れず」「他人事」「一段落」「大地震」。「かんぱつをいれず」「たにんごと」「ひとだんらく」「だいじしん」と読む人もいた。が、それぞれ「かんはつをいれず」「ひとごと」「いちだんらく」「おおじしん」が正解、と番組では紹介していた。
僕自身も誤用していた覚えがある。間違いに気づいたのは社会に出て何年か過ぎてからだった。
若者たちのなかにも、日本語の美点を意識する人がいる。女性講談師・神田京子さんもそのひとり。アナウンサーを目指していた彼女は「日本語の歯切れの良さとリズム感」に目覚め、二代目神田山陽に弟子入りした。木戸銭の安い会場でもどこでも出かけて語る、そのエネルギッシュな姿に好感が持てる。
日本テレビの現役アナウンサーたちが演じた芝居『進め! ニホンゴ警備隊』も番組のなかで紹介された。かつて、横書きにした「旧中仙道」を「いちにちじゅうやまみち」と読んで失笑を買った女性アナウンサーがいた。これは極端な例だけれど、いつの世もアナウンサーの役割は大きく、また重いものだと思う。
番組では取り上げられなかったけれど、NHKTVのアナウンサーなどもニュースを読む時に使っている「さらなる」という言い方もちょいと気になる。野口悠紀夫さんが書いておられたのを読んで、わが意を得たりと思っている。
「さらに」は副詞で、「さらなる」という言い方は元々なかった。「さらなり」はある。『枕草子』に「月の頃はさらなり」と出ている。これは「言うまでもない」という意味。
いつかどこかで誰かが勘違いしたか、あるいは方言でそう表現するものか、いまや「さらなる」は大手を振ってまかり通っているように見える。「さらなる危険が迫る」などとやっている。これ「いっそうの危険が」でいいはずなんだけどなぁ。
時代のながれのなかで揺れたり乱れたりしながら、おさまりのいい所に落ち着くのが言葉というものだろう、と楽観している。あまり細かいことを云々しても仕方ないとも思う。でも、守るべきものは守らなくてはならないとも考える。
ともあれ、これからの日本語の“さらなる”変貌ぶりから目を離すことはできない。
♪Petites Annoces♪
「ヴィヴ・ラ・ルプリーズ 2004」のお知らせ "VIVE LA REPRISE 2004"
・「ヴィヴ・ラ・ルプリーズ」はパリで毎年行なわれているシャンソン・フランセーズのコンクールです。10回目を数える今年も、サントル・ド・ラ・シャンソン Centre de la chanson とサントル・ワロニー=ブリュッセル Centre Wallonie-Bruxelles が共催します。
[日時]2004年4月29日(木)・30日(金)
[会場]サントル・ワロニー=ブリュッセル Centre Wallonie-Bruxelles
46 rue Quincampoix 75004 Paris, France
[参加条件]18歳以上であればアマチュア、プロ、フランス人または外国人でも構いません。ただし、フランス語で歌うこと。次の課題曲をCDに録音してサントル・ド・ラ・シャンソン事務局に提出してください。
CDには3曲を収録してください。
・これまでにレコーディングされているシャンソンのレパートリー全体から1曲。
・未発表曲(レコーディングされていないもの)を1曲。
・「街」をテーマにしたシャンソンを1曲。
[CD提出期限]2004年4月2日(金)
4月29日(木)14h00から公開オーディション。
4月30日(金)20h30からオーディションに残った7名による決戦。第2部ではクロード・スメルのショーがあります。
[各賞]サントル・ド・ラ・シャンソングランプリ、ADAMI賞、SACEM賞、UNAC賞。
シャルルロワ・シャンソンビエンナーレ・ド・ブリュッセルからのパートナー賞。
観客賞が該当者に授与されます。
申込み用紙は1月末に発行します。詳しい情報およびCD送付先は下記サントル・ド・ラ・シャンソンまで。
Centre de la chanson http://www.centredelachanson.com
24 rue Geoffroy l'Asnier - 75004 PARIS
Tel. (+33)01 42 72 28 99 - Fax(+33) 01 42 72 92 19
contact@centredelachanson.com
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VIVE LA REPRISE 2004
Centre de la chanson et Centre Wallonie-Bruxelles presentent
VIVE LA REPRISE
10e edition du tremplin des interpretes
Les 29 et 30 avril 2004
au Centre Wallonie-Bruxelles
46 rue Quincampoix - Paris 4e.
Condition de participation
Le tremplin est ouvert aux amateurs et professionnels, de 18 ans et plus, francais ou etrangers chantant en langue francaise.
3 chansons sur CD
1 chanson issue de l'ensemble du repertoire enregistre
1 chanson inedite de creation
1 chanson sur le theme : La ville
Date limite de reception des dossiers : vendredi 2 avril 2004.
Auditions publiques le jeudi 29 avril a partir de 14h.
Finale (7 artistes) vendredi 30 avril a 20h30
suivie du spectacle de Claude Semal
Le jury decernera, le grand prix du Centre de la chanson,
le prix de l'ADAMI, le prix de la SACEM, le prix de l'UNAC
le prix des partenaires : Charleroi Chansons et Biennale de la chanson de Bruxelles
Prix du public
Dossier d'inscription sur demande fin janvier
Centre de la chanson http://www.centredelachanson.com
24 rue Geoffroy l'Asnier - 75004 PARIS
Tel.(+33) 01 42 72 28 99 - Fax(+33) 01 42 72 92 19
contact@centredelachanson.com