♪「シャンソンを貴方に…」〜シャンソン情報TV番組オンエアのご案内〜
東京メトロポリタンテレビジョン(MXTV)にて毎回多彩なゲストをお迎えして見ごたえのある30分番組となっています。
   
   ☆TOKYO MXTV
 
   ☆群馬テレビ
パリに咲いたシャンソンの花束
  7月14日(水)20:00〜20:30
   ゲスト:フレンチ・キス
  7月28日(水)20:00〜20:30
   (再放送)
 
7月14日(水)22:00〜22:30
 ゲスト:フレンチ・キス
7月20日(火)22:00〜22:30
 (再放送)
シャルル・アズナヴ−ルとアンリ・サルバド−ル
  8月11日(水)20:00〜20:30
   ゲスト:嵯峨美子
  8月25日(水)20:00〜20:30
   (再放送)
 
8月11日(水)22:00〜22:30
 ゲスト:嵯峨美子
8月18日(水)22:00〜22:30
 (再放送)
エディット・ピアフとイヴ・モンタン
  9月 8日(水)20:00〜20:30
   ゲスト:深緑夏代
  9月22日(水)20:00〜20:30
  (再放送)
 
9月 8日(水)22:00〜22:30
 ゲスト:深緑夏代
9月15日(水)22:00〜22:30
 (再放送)
この「修平のひとりごと」は、2ヶ月ごとに削除いたしますので、必要な方はご自分で保存してください。(管理人)
バックナンバー→  6月 7日〜 14日〜 21日〜 28日〜  7月 5日〜
 

“一行力”は凄い  7月16日(金)曇り

 

 書店の棚で光を放つ背表紙に出会った。『一行力』。何の本だろう。よく分らないけれど、妙に惹かれる。今年4月、草思社から出た本だ。
 白いカヴァーに黒文字のタイトル。赤色の平仮名で読みを振ってある。「いちぎょうりょく」。インパクトがある。著者は岩永嘉弘さん。「新宿MY CITY」「文化村オーチャードホール」などのネーミングを担当したコピーライターだから、きっと言葉についての卓見がありそうだ。期待しながらページをめくる。

 第1章の冒頭はこう始まる。「一行には、言霊が宿っている」。本全体の要約になっている一行と言える。コトダマかぁ。わが日本は「言霊の幸(さきは)ふ国」。言葉に秘められた力を大切にする伝統があった。言葉が人の心を楽しませたり、傷つけたりすることもあるのはよく経験するところ。

 政治家の言葉はますます中身が薄く、軽く、貧しくなってゆくばかり。とはいえ、小泉純一郎首相の短いワンフレーズはそれなりのパワーがあった。初めの頃は僕たちをそこそこ楽しませてくれた。だけど「人生いろいろ、会社もいろいろ」なんてのは粗雑ですなぁ、どうも。「自民党をぶっ壊す」とか言ってた勢いはどこへ行ってしまったんでしょうねぇ。

 本題に戻ろう。岩永さんは次々にパワフルな“一行力”の例を見せてくれる。
 「造反有理」。「反抗するのには理由がある」―ああ、毛沢東。中国の文化大革命で叫ばれたこの言葉、日本の若者たちの心も少なからず揺り動かしたっけ。僕も親に反抗しまくりました、ハイ。
 政治的なものを含めて、スローガンは“一行力”が命だ。

 「わかっちゃいるけどやめられない」。言わずと知れた「スーダラ節」(青島幸男作詞、萩原哲晶作曲)の名文句。1961年、「こりゃシャクだった」のB面だった曲がA面を超える大ヒットとなった。このフレーズ、たしかに真理を語ってるなぁ。

 『一行力』の著者は、言葉が持つ音にも敏感だ。
 1969年に登場した万年筆のTVコマーシャル。「みじかびの、きゃぷりきとれば、すぎちょびれ、すぎかきすらの、はっぱふみふみ」。大橋巨泉の発するわけの分らない「ハッパフミフミ」に、なぜか魅了されたのを覚えている。
 岩永さんはこれをあの童謡と結びつける。「ずいずいずっころばし、ごまみそずい、ちゃつぼにおわれて、とっぴんしゃん」。意味不明だけれど、子供の耳にしっかり残る。その項はこう結んである。

言葉は意味であり、映像でもあると同時に、耳から入ってくる音韻でもあることを忘れてはならないでしょう。(同書 p. 89)

 ちょいと気をつけて身のまわりを見渡してみれば、僕たちの目や耳、心をとらえる言葉に“一行力”が潜んでいるのが分るだろう。それは広告のキャッチコピーに、あるいは詩の一行に見つかるかもしれない。
 僕としてはシャンソン・フランセーズのタイトルや歌詞にこめられている“一行力”に驚いたり、心を動かされるのが好きだ。

 やっぱり、“一行力”って凄い。


♪Petites annonces 〜1

☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)。
通信販売で、という方は東芝EMI株式会社ファミリークラブ(Tel 03-5512-1763)へ。商品番号「10362」とお申し込みください。
他社のファミリークラブなど通販会社をご利用の場合の商品番号は「GSD-12201-9」。

 [公演問合わせ先]

 ◎「パリ祭」
  パリ祭実行委員会
  Tel:03-3533-1300
  URL:http://www.paris-sai.com

 ◎ミュージカル『エディット・ピアフ』
  株式会社 三都企画
  東京都港区芝3-40-6港ビル本館6F
  Tel:03-5443-7576
  Fax:03-5443-7295
  mail:san@mitokikaku.co.jp
  URL:http://www.mitokikaku.co.jp

 ◎『愛の讃歌〜ピアフとマルセル 愛の手紙』
  バウスプリット株式会社
  東京都江東区富岡2-5-6-101
  Tel:02-3642-4422
  Fax:02-3642-4423


♪Petites annonces 〜2

映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

[監督]
  マルセル・シューバッハ

[出演]
  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

公開は6月19日から、恵比寿ガーデンシネマで。
 tel.03-5420-6161
 http://www.cineplex.co.jp

詳しい情報はhttp://www.bcommebejart.comをご参照ください。

 バルバラ、ジャック・ブレルのシャンソンが多用され、モーリス・ベジャールのひとつのバレエ作品『リュミエール』が創り上げられるまでを追ったドキュメンタリー。プログラムに僕が映画で取り上げられたシャンソンについての解説を書いています。


♪Petites annonces♪
『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。

   


   

〈レクリューズ〉に思いを馳せる  7月15日(木)快晴

 

 フランス小噺にこんなのがあった。とある食事の席で、ルイ15世が廷臣から質問を受けた。「王様、人は同時に二人の女を愛することができましょうか」。国王は答える。「人はブルゴーニュとボルドーを同時に愛飲せぬかの」。
 坂口謹一郎博士の著書にあったエピソードでディテイルは覚えていないけれど、概ねこんな内容だった。

 ルイ15世の答の尻馬に乗って言わせてもらおう。僕はアリスティード・ブリュアンなどが歌った、モンマルトルをひとつの中心とするセーヌ右岸のシャンソンも、レオ・フェレやジュリエット・グレコらによる、サン=ジェルマン=デ=プレで歌われた左岸派のシャンソンのどちらも好きだ。一方だけを選ぶことは難しい。
 これら二種類のシャンソンの傾向をあえて単純化すれば、右岸=庶民派、左岸=知性派ということになるだろう。東京でも下町、山の手どちらも好きな僕だから、パリについても同じこと。シャンソン・フランセーズの豊かさを味わうなら、どちらも欠かせない。

 高校時代からの友人、北島康久がパリから買って来てくれたCDに興味深い1枚がある《Un soir de L'Ecluse》(EPM/ADES SP 18 写真1)。訳せば『レクリューズの一夜』となる。


写真-1

 サン=ミッシェル橋を渡ってすぐ、左岸のグラン・ゾーギュスタン通りに面して伝説のシャンソンの店〈レクリューズ〉はあった。いまも同じ場所に昔の名前で出てはいるのだけれど、ボルドーに限ったワイン・バーになっている。ここにその昔、いま大スターとなったシャンソン歌手たちが若い頃に出演していたのだ。
昨日書いたように、マリー=ポール・ベルもここで歌手としてのキャリアを始めた。彼女は言っている。「〈レクリューズ〉は私の出発点であり、母港でした」。(Marc Chevalier《Memoire d'un cabaret》p. 160, Decouverte, 1987 写真2)


写真-2

 店内でどんなショーや歌が繰り広げられていたのか手に取るように分るライヴ・アルバムだ。観客たちの笑い声や嘆声も拍手とともに収められている。ステージと客席の熱気が伝わってくる。
 〈レクリューズ〉を立ち上げたレオ・ノエル Leo Noel、ブリジット・サブーロー Brigitte Sabouraud、マルク・シュヴァリエ Marc Chevalier(前述の本の著者)、アンドレ・シュレッセル Andre Schlesser の歌声も聴ける。
 左岸派の代表格、アニエス・カプリ Agnes Capri がプレヴェールの詩「パリの地図」"Plan de Paris" を朗読しているのも珍しい。

 もちろん、ここで「真夜中の女性歌手」"la chanteuse de minuit" と呼ばれたバルバラ Barbara も、レオ・ノエルの口上に続いて登場する。歌うのはアンドレ・シュレッセルが書いた「思い出」"Souvenance" 。
 「私たちの素晴らしい日々を思い出して/私たちの戯れ、笑い、愛/二人は一度しかジュ・テームを言わない」"Souviens-toi de nos beaux jours/Nos jeux nos rires nos amours/On ne dit qu'une fois je t'aime"

 こんなに様々なスタイルの歌手や芸人たちが毎晩、観客たちを楽しませていたのか、と改めて知る。
 今度パリに行ったら〈レクリューズ〉でワインを飲みながら往時を偲んでみようかな。


♪Petites annonces 〜1

☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)。
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他社のファミリークラブなど通販会社をご利用の場合の商品番号は「GSD-12201-9」。

 [公演問合わせ先]

 ◎「パリ祭」
  パリ祭実行委員会
  Tel:03-3533-1300
  URL:http://www.paris-sai.com

 ◎ミュージカル『エディット・ピアフ』
  株式会社 三都企画
  東京都港区芝3-40-6港ビル本館6F
  Tel:03-5443-7576
  Fax:03-5443-7295
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 ◎『愛の讃歌〜ピアフとマルセル 愛の手紙』
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  東京都江東区富岡2-5-6-101
  Tel:02-3642-4422
  Fax:02-3642-4423


♪Petites annonces 〜2

映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

[監督]
  マルセル・シューバッハ

[出演]
  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

公開は6月19日から、恵比寿ガーデンシネマで。
 tel.03-5420-6161
 http://www.cineplex.co.jp

詳しい情報はhttp://www.bcommebejart.comをご参照ください。

 バルバラ、ジャック・ブレルのシャンソンが多用され、モーリス・ベジャールのひとつのバレエ作品『リュミエール』が創り上げられるまでを追ったドキュメンタリー。プログラムに僕が映画で取り上げられたシャンソンについての解説を書いています。


♪Petites annonces♪
『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。

   


   

マリー=ポール・ベルについてもう少しおさらいをしてみよう
7月14日(水)快晴

 

 今日は「7月14日」。フランスでは国民の祝日である「革命記念日」だ。シャンゼリゼ大通りでは、例年のように盛大な軍事パレードが催されることだろう。
 1995年から6年間欠かさずに通ったラ・ロシェルでのフェスティヴァル、「フランコフォリー」"Les Francofolies" 。今年もいまちょうど開催中。シャンソン・フランセーズやポップス、ラップなど、いまのフランスで聴かれている音楽がラ・ロシェルの街中に溢れているはずだ。
 年を追うごとにシャンソン・フランセーズ系アーティストの出演が少なくなっていったので、出かけて行く気が薄れてしまった。

 「フランコフォリー」のサイト(http://www.francofolies.fr/)を見ると、パトリシア・カース Patricia Kaas やベナバール Benabar、コルネイユ Corneille といったアーティストが名を連ねている。発足20周年を迎える「フランコフォリー」。伝え聞くところによると、このフェスティヴァルを立ち上げ、これまで牽引役を務めてきたジャン=ルイ・フルキエ Jean-Louis Foulquier さんが今年で引退するという。去年はフリーの興行関係労働者たちによるストライキがあったため、「フランコフォリー」は中止のやむなきに至った。そうしたこともフルキエさんにはこたえてしまったのかな。長い間お疲れさまです。

 フランスから遥か遠い日本でもこの期間中、シャンソンと無縁ではない。「パリ祭」は順調に各地で公演が続いている。そして、12日にはマリー=ポール・ベル Marie-Paule Belle が東京・中野ゼロホールで歌った。そのお手伝いをしながら思った。フランスでは高い評価を得ているアーティストなのに、こちらでは1枚のアルバムさえ発売されていないのは残念だなぁ…。せっかくの機会だから、ほんの少し彼女についておさらいをしてみよう。

 マリー=ポール・ベルは歌手・作曲家。幼い頃からピアノを学ぶ。作家のフランソワーズ・マレ=ジョリス Francoies Mallet-Joris と、元ジャーナリスト、ミッシェル・グリゾリア Michel Grisolia がずっと作詞を担当している。
 バルバラやコラ・ヴォケールなどが出演した、パリ左岸の伝説的キャバレ〈レクリューズ〉"L'Ecluse" に1970年から出演するようになる。初め彼女は、そこでのスターであるバルバラに遠慮してピアノには触れず、ギターを弾きながら歌った。同時にやはり左岸にあったレシェル・ド・ジャコブ L'Echelle de Jaob も掛け持ちで歌うようになる。マリー=ポールもまた、観客との直接のコンタクトを肌で知るという、踏むべき順序を経て成長していったのだった。

 12日に歌ったのは、「あなた」"Toi" 、「ナントに雨が降る」、"Nantes" 「いつ帰ってくるの」 、"Dis, quand reviendras-tu" など12曲。いずれも、2001年にリリースされたアルバム『マリー=ポール・ベル バルバラを歌う』《Marie-Paule Belle chante Barbara》(Universal, Philips 014 790-2)に収録されているもの。

 オリジナル作品も3曲歌った。
 「友だちになる時」"Quand nous serons amis" は1976年の作品。恋人同士から友だちへと変わってゆく「あなた」と「私」。一緒に旅に行っても、もう言い争いもなくジェラシーもない、穏やかな時が流れる。たまには、それぞれパートナーを伴って立ち寄ったレストランで鉢合わせすることもある。そんな時、二人はそっと微笑みを交わす。大人の関係がしっとりと歌われる。

 「ヴォルフガングと私」"Wolfgang et moi" は面白おかしい。ヴォルフガングはあの、ウォルフガング・モーツァルトのこと。彼の姉であるレオポルディーヌが驚きの事実を語る、というスタイル。実はモーツァルトの作品とされているのは私が書いたんだ、と愚痴る。二人は「犬猿の仲」だったという発想が楽しい。

 そして、熱いアンコールに応えて歌ったのは「パリジェンヌ」"La Parisienne" 。いわゆる“パリジェンヌ”ではない「私」は、首都に出て来た時には戸惑った。自分には都会人に見受けられるエキセントリックな傾向が何ひとつもなかったから。でも、やがて“パリジェンヌ”の仲間入りしていき、エコロジーの初歩を学ぶようにもなる…。マリー=ポール流の文明批評と言えるだろう。

 表現力の豊かなマリー=ポールのステージは観て楽しい。聴かせどころもたっぷりある。彼女がもっと多くの日本の観客の前で歌える日が来るといいな、と思う。


エレガントなジャケットが話題になった1978年のアルバム

アルバム『マリー=ポール・ベル、バルバラを歌う』

マリー=ポール・ベルのサイン

(訳)いてくれてありがとう、修平。
   あなたの微笑みにありがとう。
     マリー=ポール・ベル


♪Petites annonces 〜1

☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)。
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映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

[監督]
  マルセル・シューバッハ

[出演]
  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

公開は6月19日から、恵比寿ガーデンシネマで。
 tel.03-5420-6161
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『素顔のエディット・ピアフ』
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シャンソンがいっぱい  7月13日(火)快晴

 

 先週の土曜日・10日から昨12日まで、シャンソン漬けの毎日だった。
 10日、銀座産経学園での講座を終えてから「パリ祭」会場に駆けつけた。渋谷・NHKホール。去年に引き続き、『シャンソンで覚えるフランス語』の第1集・第2集の販売を手伝うためだ。開演前、休憩時間、終演後が売るチャンス。この日と翌11日の2日間、これらの時間帯に版元の第三書房の人たちと声を張り上げた。買ってくれたお客さんにはその場でサインを差し上げた。目の前で自分の本が売れて行くのを見るのは嬉しいものだ。

 今年の「パリ祭」では第1部のテーマをエディット・ピアフに絞り込んでいた。没後41周年、ということで特集を組んだようだ。演出は高平哲郎、振付・ステージングは室町あかねの両氏。
 いまステージで歌われている曲の原題・作詞・作曲家名、そして歌手名をスライドで映写される。それがスムーズで軽快なテンポと流れを生んでいる。代表曲が次々と披露される合間を永六輔、遠藤泰子のお二人がピアフの生涯を語りながら進行していった。全体として破天荒で、悲劇的でもあったピアフという歌手の生き方が分りやすく描き出されていた。

 11日の公演が終わってから、同ホール地下2階で行なわれた打ち上げに参加させていただいた。高平さんにお目にかかることができたのは光栄だった。菅原洋一さんとも初めて言葉を交わす機会を得た。と、広瀬敏郎さんが近寄って来て言った。「菅原さんは僕の高校の先輩なんですよ」。そうでしたか。同じ歌の道を志した先輩と後輩の楽しい再会の場面だった。

 打ち上げには永瀧達治さんもいらした。帰りがけに「飲みに行きましょう」と誘ってくださったのでおつき合いさせていただいた。渋谷の駅前で一杯、でおしまいにするはずだったのだけれど、話が弾んだのでもう一軒、ということになった。楽しい時間を少しでも長引かせたい、という気持ちが飲むほどに強まっていくのを止めるのは難しい。

 12日。「バルバラ パリ祭」のお手伝いをした。フランスからマリー=ポール・ベル Marie-Paule Belle が来日するので、ステージでちょっと彼女を紹介する役目をいただいたのだ。すでに神戸、名古屋での公演を経て東京に乗り込んで来た。

 第1部は白木ゆう子さん、大槻恵美子さん、梓ゆみさん、杉村美恵さん、中村扶実さん、黒川泰子さん、上月美智子さん、米田まりさんの8名によるステージ。それぞれにバルバラのレパートリーを歌う。
 第2部ではまず友部裕子さんが「マリエンバード」「秋になります」「ミモザの島」など8曲を歌った。
 後半にマリー=ポール・ベルが登場、15曲にわたってピアノ弾き語りを見せた。初めての東京でのステージだけれど、マリー=ポールはリラックスしているように見受けられた。歌の力で観客を魅了し、自分の世界に惹きこんでゆく。見事だった。彼女のような実力ある歌手のディスクが、日本では1枚もリリースされていないのはつくづく惜しまれる。

 リハーサルでのマリー=ポール・ベルは妥協を許さない姿勢を見せた。特に音響に関しては要求が厳しい。照明も兼ねるオペレーターを連れて来ていた。ウィリアムと名乗るそのオペレーターに、マリー=ポールから遠慮のない指示が飛ぶ。「声の中音部がよく聞こえない」「リヴァーブがきつ過ぎる」「声の色が見えてこない」…。その都度、ウィリアムはヘッドフォンをかけたり外したりしながら調整する。会場内に出ている音と、マリー=ポールに聞こえている音とに差があるのだ。曲ごとに歌い方や声の出し方を微妙に変えるマリー=ポール。それだけに、歌詞の隅々までを観客の耳に届けたいという願いが強いのだろう。
 実際のステージにそうした努力が反映されていたことは疑いはない。時間をかけて調整した甲斐があって、ずいぶん歌いやすくなっていたはずだ。ウィリアム、ご苦労さん。

 翌朝早く(すなわち、今日)秋田へ向かわなければならないということだった。だから、マリー=ポールは打ち上げの席には顔を出せないかもしれないと言われていた。が、僕たちが先に一杯やっているところに、プロデューサーやウィリアムと一緒に彼女は姿を見せた。みんなに感謝の言葉を述べ、改めて乾杯。しばし、歓談の時が流れた。
 ウィリアムは日本と日本人を褒めちぎっていた。互いを尊敬し合う態度、他人を思いやる優しさ。そうした心の働きがフランスと日本では異なっていることを肌で知り、よほど嬉しかったようだ。「僕はいま、まるで子供の目でものを見ていますよ」。見るもの、聞くもの何もかもが新鮮な驚きに満ちているということだろう。
 彼らのこうした感動を裏切らないような日本人であり続けたいと思う。


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 ◎「パリ祭」
  パリ祭実行委員会
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[監督]
  マルセル・シューバッハ

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  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

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お 詫 び  7月12日(月)曇り

 

 昨日、「パリ祭」の打ち上げ後、都内某所にて痛飲しました。これからマリー=ポール・ベルが出演するステージのお手伝いに中野ゼロホールに行かなければなりません。今日の「ひとりごと」を休載させていただきます。

明日は「パリ祭」を含めていろいろと報告する所存です。

大野修平


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映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

[監督]
  マルセル・シューバッハ

[出演]
  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

公開は6月19日から、恵比寿ガーデンシネマで。
 tel.03-5420-6161
 http://www.cineplex.co.jp

詳しい情報はhttp://www.bcommebejart.comをご参照ください。

 バルバラ、ジャック・ブレルのシャンソンが多用され、モーリス・ベジャールのひとつのバレエ作品『リュミエール』が創り上げられるまでを追ったドキュメンタリー。プログラムに僕が映画で取り上げられたシャンソンについての解説を書いています。


♪Petites annonces♪
『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。