♪「シャンソンを貴方に…」〜シャンソン情報TV番組オンエアのご案内〜
東京メトロポリタンテレビジョン(MXTV)にて毎回多彩なゲストをお迎えして見ごたえのある30分番組となっています。
   
   ☆TOKYO MXTV
 
   ☆群馬テレビ
パリに咲いたシャンソンの花束
  7月14日(水)20:00〜20:30
   ゲスト:フレンチ・キス
  7月28日(水)20:00〜20:30
   (再放送)
 
7月14日(水)22:00〜22:30
 ゲスト:フレンチ・キス
7月20日(火)22:00〜22:30
 (再放送)
シャルル・アズナヴ−ルとアンリ・サルバド−ル
  8月11日(水)20:00〜20:30
   ゲスト:嵯峨美子
  8月25日(水)20:00〜20:30
   (再放送)
 
8月11日(水)22:00〜22:30
 ゲスト:嵯峨美子
8月18日(水)22:00〜22:30
 (再放送)
エディット・ピアフとイヴ・モンタン
  9月 8日(水)20:00〜20:30
   ゲスト:深緑夏代
  9月22日(水)20:00〜20:30
  (再放送)
 
9月 8日(水)22:00〜22:30
 ゲスト:深緑夏代
9月15日(水)22:00〜22:30
 (再放送)
この「修平のひとりごと」は、2ヶ月ごとに削除いたしますので、必要な方はご自分で保存してください。(管理人)
バックナンバー→  7月 5日〜 12日〜 20日〜 29日〜  8月 2日〜 9日〜
 

お 詫 び   8月20日(金)晴れ

 

 ここに本日の「ひとりごと」を休載させていただきます。
夏バテでしょうか。ちょっと心身に疲れを感じていますので…。
また来週、気を取り直して書き続けるつもりです。
わがままをお赦しください。

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☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)

通信販売で、という方は東芝EMI株式会社ファミリークラブ(Tel 03-5512-1763)へ。商品番号「10362」とお申し込みください。
他社のファミリークラブなど通販会社をご利用の場合の商品番号は「GSD-12201-9」。


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☆『ディア・ピアフ ベスト・オブ・エディット・ピアフ』
(東芝EMI TOCP-67296)

ピアフを敬愛するアーティストたちがセレクトした11曲を含む珠玉のベスト・アルバム。
「恋人が一輪の花をくれた」石井好子 撰/「バラ色の人生」椎名林檎 撰/「パリの空の下」小野リサ 撰/「いつかの二人」クレモンティーヌ 撰/「水に流して」中島みゆき 撰 他全20曲、【解説】大野修平。


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『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。

   


   

ゲラとのにらめっこ  8月19日(木)晴れ

 

 今日はあまり長く書くことはできない。本の第1部のゲラ刷りに朱を入れる作業の最後の見直しをしているからだ。午後には写真素材などと併せて平凡社に届けることになっている。すでに何回か目を通しているのだけれど、最後のページまで行き着く度にどこかに見落としがありはしないか、と不安が頭をもたげてくる。で、また初めからやり直し。ゲラとのにらめっこを繰り返している。

 いわゆる著者校正という奴だ。プロの校正者が厳しくチェックした上で呈してきた疑問に答えながら、文章を書いた本人が文字の間違いや表記の揺れなどを正してゆく。原稿執筆の時点では論旨を明快にしたつもりでも、こうして校正紙となってみると表現の曖昧さに気づくこともある。パソコンのディスプレイで見ていると、ちょっとした矛盾は見過ごしてしまうもの。注意深く、冷静に自分の文章を他人の目で見てゆくつもりでいなくてはならない。

 「校正畏るべし」という有名な言葉がある。論語の「後世畏るべし」をもじったもので、明治期の劇作家・ジャーナリスト福地桜痴(本名・福地源一郎)が言ったとされている。たしかに、誤字脱字などを見逃したまま本や雑誌などの印刷物ができ上がってしまうとカッコ悪いもんなぁ。だから校正はしっかりやりましょうね、といったニュアンスが「校正畏るべし」には込められているように思える。

 ところで、「ゲラ」というのは面白い印刷用語だ。英語の"gally" が活字を収める箱のことで、校正用に刷り出したものが"gally proof" 「ゲラ刷り」=校正刷り。「ギャリー」が「ゲラ」に転じた、というわけ。昔の日本人の耳にはそう聞こえたのだろう。
 それはともかく、「ゲラ」という言葉には何となく愛嬌があって僕は好きだな。

 英語の「ギャリー」にはガレー船の意味もある。古代ローマ時代、奴隷や罪人が何十人もかかって漕いだ船のことだ。帆船でも長いオールを備えていた。全員で呼吸と力を合わせて長時間漕ぎつつけるのは、さぞ大変だったことだろう。
 フランス語にもこの言葉は入っている。"galere" 「ガレール」と発音する。
"Quelle galere!" 「ケル ガレール」というと、「何て辛い仕事だ」といった意味になる。
 この苦役に従事する罪人のことを"galerien"「ガレリアン」と呼ぶ。そう、イヴ・モンタンが「ガレリアンの歌」(「漕役刑囚の歌」とも)で歌った、あの哀れな男はこの刑に服していたのだった。

 そうか、活字を入れた箱を「ギャレー」と呼ぶのは、ガレー船に詰め込まれた漕ぎ手の人々のイメージからの連想なのかもしれないな。道理でゲラとのにらめっこ作業が緊張感を伴う、ちょいと骨の折れる仕事なわけだ。
 冗談はともかく、その作業に戻らなくちゃ。


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やっと、ゴール   8月18日(水)晴れ

 

 やっと、ゴールにたどり着いた。
 今秋に平凡社から刊行される僕の書き下ろしの本を脱稿したのだ。第1部を書き終えるまでは快調に飛ばしていたのだけれど、第2部に移ってからが思うように筆が進まなくなった。四苦八苦、という言い方が当たっている。その苦吟の状態は、8月4日付の本欄「リングワンデルング」で告白したとおり。

 頂上はすでに視界に入っているのに、簡単に登りつめることのできない山もある。高校1年生で初めて山岳部の夏合宿に参加した時のことを思い出した。あの時は東北の名山、飯豊・朝日連峰に挑んだ。飯豊連峰の主峰が飯豊山。まさに、頂上が見えているのに、なかなかたどり着くことのできない山だった。
 飯豊連峰の頂上を踏んでからいったん下山、小国という町に着いた。でも、合宿はここまでで前半部が終わったにすぎない。後半である朝日連峰を縦走するためにはもう一度、入山を繰り返さなければならない。ひとつの合宿に入山が2回あるというのはありがたくないものだ。
 小国町で休憩を取った。見ると、東京行きの列車が駅に止まっている。1年生の部員は僕を入れて4人いた。互いに顔を見合わせて「これに乗って帰りたいなぁ」と言いながら頷き合ったっけ。

 本の「第2部」のコンセプトはそもそも次のようなものだった。通史というほどまではいかないとしても、現在にまでつながるシャンソン・フランセーズの系譜を大まかに跡づけてみたい。
 そのつもりで書き始めてみた。しかし、限られた紙数でそれを実現するのは簡単ではないことはすぐに実感した。どうやっても舌足らずになってしまう。それぞれのアーティストの個性を紹介することはできない。下手をすると、こんなアーティストがいます、こういう人もいます、とただ個人名やグループ名を羅列するだけに終始してしまいかねない。それでは読者にしてみれば、メニューを見せられているだけで、料理の匂いも味も見当がつかないといったことになってしまう。

 それではいけない。では、どうするか。
 答がなかなか見つからないまま、いたずらに日が過ぎていった。
 編集者のSさんも心配してアドヴァイスをくれた。新しいアーティストに関する情報は入れたい、という点では二人の意見は一致している。でも、これまでのシャンソン・フランセーズの流れを記述しようとせずに、僕がいいと思うアーティストについてもっと気楽に語ればいい、と。
 そうか、そうなんだ。
 進むべき道は分った。しかし、具体的にどうするか。試行錯誤は続いた。

 ピンポイントでのアーティスト紹介、ということに思い至ったのはずいぶん時間が経ってからのことだった。音楽フェスティヴァル「フランコフォリー」で実際に目の当たりにしたり、インタヴューしたアーティストたちのことを書けばいいんだ。そう気づいたら楽になった。シャンソン事典をつくるわけじゃないんだから、折々に出会ったアーティストたちのことを書こう。

 そして昨日の夜、書き終えることができた。肩の荷が下りた実感を味わっているところだ。


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幸せなら本を読もう  8月17日(火)曇り

 

 「幸せなら手をたたこう」という歌が日本中でもてはやされたのは、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)のことだった。“九ちゃん”の愛称で親しまれた坂本九のヒット曲。いまでもいくつかのTVコマーシャルで使われている。それだけポピュラリティーがある、との判断に基づいてコマーシャル製作側が選んだのだろう。
 経済が高度成長期を迎え、オリンピックまで実施できるようになった日本の晴れやかな気分も反映されていたのかもしれない。あのシンプルなメロディーと歌詞はラジオやTVを通じてあっという間に広まった。小学生だった僕も友人たちと「幸せなら手をたたこう」と歌いながら「パン、パン」と手を打ったものだ。(無邪気でしたねぇ〜)

 先週月曜日、本の打ち合わせのために平凡社を訪れた時、編集者のSさんが1冊の本をくれた。ベルトラン・ヴェルジュリ著『幸福の小さな哲学』(原章二+岡本健訳)。300ページ余りあるけれど掌にしっくり収まるサイズで、すぐに読みたくなる作りが嬉しい。

 著者のベルトラン・ヴェルジュリは1953年生まれというから、僕と同世代。しかし、あちらがすごいのは高等師範学校(エコール・ノルマル)卒業で、高等教育教授資格(アグレガシオン)をお持ちだということ。パリ政治学院などで哲学を教えておいでだ。僕のような浮草稼業とは雲泥の差がある。
 まぁ、いまさら彼我の境遇の違いを嘆いたところで仕方ない。瀟洒な本のページを開いてみた。面白い。楽しい気分になってくる。そこで言いたい。「幸せなら本を読もう」。

 幸福について考えるなんて面倒だ、アホらしいなんて言わずに、幸せな人ほど読んでみることを薦めたい。自分がいま手にしている幸福がかけがえのないものだということを一層感じられるだろう。いや、これからまたやって来るはずの幸せを取り逃さないために、不幸だと感じている人も読んでみるといい。

 哲学者が書いた本ではあるけれど、頭の痛くなるような難しい専門用語が並んでいるわけではない。むしろ、散文詩かエッセイのような趣がある。
 モンテーニュ以来、フランスに連綿と受け継がれているモラリストの伝統が全篇にはっきりと見て取れる。生きることを自覚的にとらえようとする態度を持つこと。生きることについてよりよく考えることが、人生を楽しくかつ豊かにするのだ、という信念がそこにある。

 この本の根底に流れているのは人生を全面的に、徹底的に肯定せよ、という考えだ。快楽や歓びだけでなく、悲しみや苦痛感でも含めて受け容れること。
 どこかで聞いたような台詞だ。そう、古代ローマの詩人ホラティウス(前65〜前8)の言葉だ。"carpe diem" (カルペ ディエム)。「「日を楽しめ」、「現在を楽しめ」、「時機をとらえよ」といった意味だ。本書では「日々を摘めよ」と訳されている。いまこの時を楽しむ。幸福の出発点はそこにある。

 哲学書である本書の「結論」にシャンソンのタイトルが用いられているのも楽しい。「幸せになるのに何を待っているのか?」。原題は"Qu'est-ce qu'on attend pour etre heureux" 。1937年に発表された、レイ・ヴァンテュラ楽団のヒット曲で、アンリ・サルヴァドールやパトリック・ブリュエルも歌っている。こんな歌詞が出てくる。

道端に咲くバラの花々を摘もう
なぜ すべてを明日に引き延ばすのか
幸せになるのに何を待っているの

Cueillons tout's les roses du chemin,
Pourquoi tout remettr'a demain
Qu'est-c' qu'on attend pour etre heureux ?

 「結論」ではシャルル・トレネにも触れている。彼のシャンソンには幸せがいっぱいだから、いい所に目をつけたと思う。
 ベルトラン・ヴェルジュリさんという哲学者、なかなか話の解る御仁のようだ。


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(東芝EMI TOCP-67296)

ピアフを敬愛するアーティストたちがセレクトした11曲を含む珠玉のベスト・アルバム。
「恋人が一輪の花をくれた」石井好子 撰/「バラ色の人生」椎名林檎 撰/「パリの空の下」小野リサ 撰/「いつかの二人」クレモンティーヌ 撰/「水に流して」中島みゆき 撰 他全20曲、【解説】大野修平。


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『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。

   


   

川は流れ、時は過ぎて…  8月16日(月)晴れ

 

 14日土曜日、湯河原の城願寺へ亡父の墓参りに行った。暑い陽射しの下、掃除をして水を撒いたり、花と線香を捧げる。すぐ右隣に母方の叔父の墓もある。大学生だった僕にお金を貸してパリに行かせてくれた叔父だ。ないがしろにはできない。そちらにも花を手向けた。

 母方の祖父母やそのきょうだいたちの墓もあるので、そちらにもお参りしてから町へ戻り、遅い昼食。
 洋食屋に入り、ドリアを注文した。見ると、テーブルにタバスコ・ソースが置いてある。しばらく使っていなかったので、ドリアにかけてみた。辛味と酸味が口のなかに広がる。

 マキレニー社が製造販売しているこのソース、昭和20年代から日本でも売られていたという。「燃える闘魂」で知られるアントニオ猪木さんが経営していた会社が販売元だったということを先日知った。ところが、タバスコ・ソースの人気が上がったのは、同氏が販売権を手放してからのことだったそうだ。

 僕があのソースを初めて味わったのは高校生の頃だった。ガールフレンドとピザトーストにかけて食べた覚えがある。刺激的な味が目新しかった。彼女との仲にも紆余曲折があって、辛味と酸味は僕の青春を彩る味となった。
 久しぶりにタバスコ・ソースを口にしてほんの一瞬、過去を思い出した。

 五輪報道がTVを賑わせているなか、昨夜、テレビ東京の「日曜ビッグ」という番組が面白そうだったのでチャンネルを合わせてみた。タイトルは「今甦る懐かしき“昭和”30年―50年代…日本が元気だったあの時代」。案内役は林家こぶ平と中山エミリ。

 どうやら「昭和」がいまブームになっているらしい。昭和30年代の生活雑貨などが、いまの若者たちには新鮮に映るのだそうだ。卓袱台を囲んで楽しく飲む居酒屋なんてのも紹介されていた。僕たちにとってまさに「オンリー・イエスタデイ」の品々が、レトロな風情を感じさせるものになっているというのも何となく不思議な思いがする。

 番組では、南こうせつとかぐや姫の大ヒット曲「神田川」にも触れていた。貧しいながらも愛さえあれば、という気持ちで同棲する若い二人の姿を描いた歌。歌詞は女性側の気持ちを表わしている。
 作詞者の喜多条忠さんが、神田川沿いの思い出の地を訪ねて当時を語った。彼らの愛の巣だったアパートは姿を消している。「二人で行った横丁の風呂屋」もいまはもうない。画面にその銭湯の写真が出た。煙突に屋号が見える。「安兵衛湯」。
 材木店の前で喜多条さんは懐かしそうに語った。「喧嘩すると、彼女はこの材木の陰に隠れて泣いてたんですよ」。微笑ましい、若い愛のワンシーンだ。
 川は流れ、時は過ぎて行った。

 「神田川」には男性が24色のクレパスで彼女を描く、という歌詞がある。アズナヴールのシャンソン「ラ・ボエーム」を連想した。こちらは男性側の心情が述べられている。モンマルトルのアパルトマンに住み、恋人を絵に描く画家志望の青年。が、夢は破れ、彼女は去る…。

 若き日の挫折。僕にもそれはあった。昭和という時代の片隅で。それはキリンビールのクラシックラガーみたいな苦味をいまも僕の心に残している。


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