夏バテを言い訳に遊びすぎたせいか、仕事が押し気味になっている。身から出た錆、自業自得と言えばそのとおり。誰のせいでもない。とはいえ、人間、時には休むことも必要だ。フランス並みに4週間のヴァカンスがほしい、とまで言うつもりはないけれど。まぁ、いずれにしても、適度な休養をとることで、またもや猛然と仕事をやる気にもなるというもの。
気分がリフレッシュしたところで、溜まってしまった仕事をいま、少しずつこなしている。
急いで仕上げなければならないのは、先日も書いたように、ユニバーサルから発売されるジャック・ブレルとアンリ・サルヴァドールのCDに添える解説の執筆。いわゆるライナー・ノーツだ。
よくCDを買う人はとっくにご存知だろうけれど、たいていの場合、ライナー・ノーツは二段構えになっている。まず初めにそのアーティストについての紹介がある。バイオグラフィーや現在の活動状況などが書かれることが多い。この部分を「前説」(まえせつ)と呼ぶ。
次いで、CDに収録されている楽曲のそれぞれについての解説。「曲目解説」というのが来る。調子が良ければ、一気呵成にこの両方を書き飛ばすこともできるけれど、そういうことは滅多にない。おそらく、他の執筆者たちもそうなんじゃないだろうか。
CDを買った人に「こんなの、いらない」なんて言われないようなものを書こう、と思っている。そのアーティストのことについての興味がさらに増すような、理解が深まるようなものを目指しているつもりだ。(外れていたらごめんなさい、だけど)
そこまで欲張らないまでも、「あ、こんなこと知って得した」くらいには思って貰えるようなものを書かなくちゃね。
しかし、アンリ・サルヴァドールとジャック・ブレルでは、人も作品の個性も太陽と月ほどに違う。僕のテンションも当然、同じというわけにはいかない。ブレルに関しては前説も曲目解説も書き終え、メールで送稿した。サルヴァドールの前説も同様。曲目解説を書いている途中だ。
ところが、こちらは2枚組。しかも、どこを探しても7曲の原詞が見当たらない。対訳がペンディングになったままだ。ユニバーサル・フランスに問い合わせて貰っているのだけれど、なかなか返事が来ないので困っている。
と、思ったら、やれ嬉しや。手持ちのボリス・ヴィアン作品集のなかに、アンリ・サルヴァドールが歌っているシャンソンの歌詞3曲を見つけた。ほっとする。
こんなことをだらだらと書き連ねていないで、さっさと曲目解説の続きに取りかかればいいじゃないか、という声が聞こえてきそうだ。でも、道草を楽しみながら行くのが僕の流儀。こうしていることがウォームアップにもなるし。
ランナーズ・ハイは走る人が感じる昂揚感。長い距離を走っているうちに、脳内に快感物質ドーパミンが分泌されてくることから生じるという。
毎日、ずっとキーボードを叩きながら書き続けいていると、それに似た気分になってくる。締め切りというプレッシャーもあるせいかな。小石雄一さんが『週末の達人』で述べていらしたように、「ライターズ・ハイ」といったものもありそうだ。
ハイな感覚を味わいながら、さて、仕事に戻るとしようか。
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〈翻訳〉宇藤靖子
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¥9,240(本体価格\8,800) |
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