♪「シャンソンを貴方に…」〜シャンソン情報TV番組オンエアのご案内〜
東京メトロポリタンテレビジョン(MXTV)にて毎回多彩なゲストをお迎えして見ごたえのある30分番組となっています。
 *放送スケジュールは変更される場合があります。ご了承下さい。
   ☆TOKYO MXTV
 
   ☆群馬テレビ
パリを歌ったシャンソン 【監修】大野修平 出演:芦野宏、深江ゆか、山添恵子、岩崎桃子
   1月 4日(水)20:00〜20:30
   1月18日(水)20:00〜20:30
   (再放送)
 
   1月11日(水)22:00〜22:30
   1月18日(水)22:00〜22:30
   (再放送)
2004年5月、フランス政府よりオフィシエ章(芸術文化勲章)を受賞した芦野宏のニュー・アルバム。『コートダジュールからの風』 (キング KICD-38)¥2,500(税抜価格¥2,381)
シャンソン珠玉の名曲をボサノバ、タンゴ、ジャズにリアレンジ。ギターサウンドが南フランスの海岸に吹く微風をイメージさせる。アコーディオン、チェロも加わり、フランス語による芦野宏のヴォーカルが軽やかさ、華やかを添える。シンガー・ソングライター、KOKIAによる書き下ろし曲「ラルム」も聴きもの。
バックナンバー→  1月 6日〜 11日〜 16日〜 25日〜  2月 13日〜
 

仕事場の片隅から(まだ先は長い…?)  2月24日(金)曇り

 

 先日書いたよう、ミッシェル・デルペッシュのコンピレーション・アルバムの曲目解説にとりかかっています。まだ道半ば、といったところです。

 言い訳がましい弁をひとつ。彼自身が心をこめて書いた歌詞のなかにちりばめられたキーワードのひとつひとつに注意を払い、解説のなかでそれに触れるという作業をしています。
 歴史上の事実にも言及している箇所もあるので、ものの本を繙いて調べたりしているとあっと言う間に時間が過ぎ去ってしまうのです。

 というわけで、本日も「ひとりごと」を書く時間的な余裕がありませんのでお休みさせていただきます。

 前回の本欄でデルペッシュのレコード(CDが登場する前でしたから)が出たのは1980年代と書きました。しかし、これは「日本で最後にレコードが出たのは」というつもりでした。デビュー当時からのアルバムは1970年代、キングレコードからリリースされています。
 舌足らずな物言いだったことを訂正します。

 いま取り組んでいるコンピレーション・アルバムの曲目だけをお目にかけましょう。ちなみにジャケット写真は若い頃の彼に差し替えられる予定です。
 あえて邦題は伏せておきます。ご存知の曲があることと思いますので、「ああ、これが入ってる、これもある」とお楽しみいただければ幸いです。

ミッシェル・デルペッシュのコンピレーション・アルバム(フランス盤)

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お  知  ら  せ

詳細は10月25日付本欄をご参照願います。

イングリッド・ベタンクール解放を呼びかけるポスター

 国際イングリッド・ベタンクール連盟委員会が全世界的に幅広い支援を呼びかけています。詳細はサイトhttp://www.educweb.org/Ingrid/をご覧下さい。日本語でも読むことができます。

 サイトhttp://www.ingridbetancourt-idf.com/otages/にも注目して下さい。画面右にある"Telechargement"(テレシャルジュマン=ダウンロード)から、イングリッドのポスターをダウンロードできるようになっています。この「お知らせ」欄に掲げた写真と同じものです。

 同じページを下方へスクロールしていくと、左側に写真が縦に並べられています。いろいろなドキュメントを見ることができます。
 上から5番目に"Allumez une bougie"「ローソクを灯して」という項目があります。写真をクリックすると、多くのローソクが並ぶ画面になります。一番下にあるローソクの絵をクリックしてみましょう。その絵が動いてすでに光を放っている列に向かって進んで行きます。
 これで、ヴァーチャルなローソクを1本灯したことになるのです。

イングリッド・ベタンクール解放を訴えるシャンソンたち

 囚われの身となっているイングリッドやその他の人々の解放を歌うことを通して呼びかけているアーティストたちがいます。

 ☆ルノー Renaud 《Dans la jungle》「ジャングルのなかで」(EMI 09463 494690 2)
サイトhttp://www.educweb.org/Ingrid/ からインストゥルメンタル・ヴァージョンをダウンロードできます。

 ☆セシレム Cecilem ピアノを弾きながら歌う女性歌手セシレムが"Chanson pour Ingrid" を歌っています。Emexのサイトからmp3形式でダウンロードできます。

http://emex-music.com/cecilem/

http://www.emex-music.com

歌を聴きながら、イングリッドと人質の方々を支援しましょう。


♪Petites annonces♪

☆『ディア・ピアフ ベスト・オブ・エディット・ピアフ』
(東芝EMI TOCP-67296)

ピアフを敬愛するアーティストたちがセレクトした11曲を含む珠玉のベスト・アルバム。
「恋人が一輪の花をくれた」石井好子 撰/「バラ色の人生」椎名林檎 撰/「パリの空の下」小野リサ 撰/「いつかの二人」クレモンティーヌ 撰/「水に流して」中島みゆき 撰 他全20曲、【解説】大野修平。


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おすすめシャンソン・フランセーズCD&DVD
(対訳または解説:大野修平)
   
東芝EMI
BMGファンハウス
『シャンソン名曲大全集』
Le florilege de la Chanson Francaise
(GSD-13601〜10/BCD-0094 CD10枚組)
『魅惑のシャンソン名曲集
 〜Vive la Chanson!〜』
TheCDClub
(EMI ODEON FFCP-41710〜1 CD2枚組)
パトリック・ブリュエル
『アントゥル=ドゥ』
(BVCM 34015〜16 CD2枚組)
☆このCDについての詳細は当サイト「ディスクガイド」をご参照下さい。
ユニバーサル・ミュージック・ジャパン
オーマガトキ

ジャック・ブレル
『ベスト・オブ・ジャック・ブレル Brel Infiniment Jacques Brel』
(UICY-9450)

アンリ・サルヴァドール
『ベスト・オブ・アンリ・サルヴァドール』
Henri Salvador Henri Salvador
(CD2枚組 UICY-1258/9)

『アコーデオン』
(DVD OMBX-1004)
[監督]ピエール・バルー
[出演]リシャール・ガリアーノ/タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/クロポルト/ダニエル・ミル/モーリス・ヴァンデール/シブーカ/クロード・ヌガロ/coba/続木力/深川和美/まや他

   


   

仕事場の片隅から(おことわりを兼ねて)  2月22日(水)晴れ

 

 本来はアンドレ・アリミの著書をめぐって書くつもりでしたが、予定を変更します。

 というのは現在、4月に発売されるミッシェル・デルペッシュのCDの解説執筆にとりかかっているからです。全20曲のそれぞれに鑑賞の助けになるような事柄を書いています。
 各曲にわたって情報を調べ直す作業を進めているのですが、結構時間を取られてしまうのです。

 ミッシェル・デルペッシュ…。僕たちの世代にとって懐かしい名前です。大学のすぐ裏にあった僕たちの溜まり場〈カフェ る・たん〉で彼のレコードをよく聴いたものです。

 デルペッシュのレパートリーに「ロレットの店で」という曲があります。学生時代に仲間と過ごしたビストロの女主人ロレットが優しく接してくれたことを懐かしみ、彼女を称える歌です。
 いま思い返せば、青春真っ盛りだった僕たちにとって〈カフェ る・たん〉は僕たちの“ロレットの店”でした。

 そんな思いもあって、旧友との再会にも似た感慨を味わっています。ですから、丁寧に解説を書きたいと思っているところです。

 デルペッシュのアルバムが日本でリリースされたのはまだCD登場以前、1980年代のことでした。いまはないロンドンレコードという会社からLPとしてコンピレーション盤が世に出ました。
 それ以来、日本盤は市場から姿を消したまま今日に至っています。

 そんな事態に変化が現われました。
 いま、ホンダのストリームという新車のTVコマーシャルのバックにミッシェル・デルペッシュの「青春に乾杯」"Pour un flirt" がオリジナル・ヴァージョンで流れているのです。

 それを受けての久々のCD発売、解説を書くのにも勢い力が入ります。今日のところは「ひとりごと」をお休みさせていただきますことをご了承願います。

大野 修平

ミッシェル・デルペッシュはいまも元気! (ちょいと髪は薄くなってるけど…)
2005年10月6日、シガールでのコンサートのポスター

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お  知  ら  せ

詳細は10月25日付本欄をご参照願います。

イングリッド・ベタンクール解放を呼びかけるポスター

 国際イングリッド・ベタンクール連盟委員会が全世界的に幅広い支援を呼びかけています。詳細はサイトhttp://www.educweb.org/Ingrid/をご覧下さい。日本語でも読むことができます。

 サイトhttp://www.ingridbetancourt-idf.com/otages/にも注目して下さい。画面右にある"Telechargement"(テレシャルジュマン=ダウンロード)から、イングリッドのポスターをダウンロードできるようになっています。この「お知らせ」欄に掲げた写真と同じものです。

 同じページを下方へスクロールしていくと、左側に写真が縦に並べられています。いろいろなドキュメントを見ることができます。
 上から5番目に"Allumez une bougie"「ローソクを灯して」という項目があります。写真をクリックすると、多くのローソクが並ぶ画面になります。一番下にあるローソクの絵をクリックしてみましょう。その絵が動いてすでに光を放っている列に向かって進んで行きます。
 これで、ヴァーチャルなローソクを1本灯したことになるのです。

イングリッド・ベタンクール解放を訴えるシャンソンたち

 囚われの身となっているイングリッドやその他の人々の解放を歌うことを通して呼びかけているアーティストたちがいます。

 ☆ルノー Renaud 《Dans la jungle》「ジャングルのなかで」(EMI 09463 494690 2)
サイトhttp://www.educweb.org/Ingrid/ からインストゥルメンタル・ヴァージョンをダウンロードできます。

 ☆セシレム Cecilem ピアノを弾きながら歌う女性歌手セシレムが"Chanson pour Ingrid" を歌っています。Emexのサイトからmp3形式でダウンロードできます。

http://emex-music.com/cecilem/

http://www.emex-music.com

歌を聴きながら、イングリッドと人質の方々を支援しましょう。


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☆『ディア・ピアフ ベスト・オブ・エディット・ピアフ』
(東芝EMI TOCP-67296)

ピアフを敬愛するアーティストたちがセレクトした11曲を含む珠玉のベスト・アルバム。
「恋人が一輪の花をくれた」石井好子 撰/「バラ色の人生」椎名林檎 撰/「パリの空の下」小野リサ 撰/「いつかの二人」クレモンティーヌ 撰/「水に流して」中島みゆき 撰 他全20曲、【解説】大野修平。


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(対訳または解説:大野修平)
   
東芝EMI
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(GSD-13601〜10/BCD-0094 CD10枚組)
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 〜Vive la Chanson!〜』
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(EMI ODEON FFCP-41710〜1 CD2枚組)
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『アントゥル=ドゥ』
(BVCM 34015〜16 CD2枚組)
☆このCDについての詳細は当サイト「ディスクガイド」をご参照下さい。
ユニバーサル・ミュージック・ジャパン
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『ベスト・オブ・ジャック・ブレル Brel Infiniment Jacques Brel』
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『ベスト・オブ・アンリ・サルヴァドール』
Henri Salvador Henri Salvador
(CD2枚組 UICY-1258/9)

『アコーデオン』
(DVD OMBX-1004)
[監督]ピエール・バルー
[出演]リシャール・ガリアーノ/タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/クロポルト/ダニエル・ミル/モーリス・ヴァンデール/シブーカ/クロード・ヌガロ/coba/続木力/深川和美/まや他

   


   

A.アリミの本を読みながらシャンソンについて考えた(その2)
2月20日(月) 雨

 

 アンドレ・アリミの著書《On connait la chanson》(オン・コネ・ラ・シャンソン)には、示唆に富んだフレーズがあちこちに見受けられる。
 たとえば、18ページには次のような文章がある。「良いシャンソンとは戯曲のようなものだ。提示、展開、結末を持っている」。

 現代では必ずしもそうとは言い切れないかもしれない。しかし、1960年代頃までのシャンソン・フランセーズには確かにひとつの型があった。クゥプレ couplet とルフラン refrain という構成によるストーリーだ。

 1番のクゥプレでストーリーが提示される。たとえば男と女の出会い。その後に1回目のルフランが来る。
 2番のクゥプレではその男と女が恋に落ち、愛し合う様子が描かれる。そして2回目のルフラン。
 3番のクゥプレに至り、その二人の男女が別れ、3回目のルフランがそれに続く、といった具合。
 この例のような提示、展開、結末という構成は多くのシャンソンに見られた。「シャンソンは3幕ものの芝居だ」という言い方は作品のこうした構造を指している。

 アリミはこうした型のあるシャンソンが好きなようだ。基本的には僕もアリミの意見に同感だなぁ。
 もちろん過去においても、すべてのシャンソンが必ずしもこうした型を守っているとは限らない。
 たとえばシャルル・トレネの「ラ・メール」には、さしたるストーリーらしいものは見当たらない。でも、覚えやすいメロディーのおかげもあって穏やかな海のイメージがリスナーの脳裡に浮かぶようになっている。

 アリミは抽象的な理論をお説教がましく述べているのではない。作詞家、作曲家や歌手たちと直接に会って彼らの主張に耳を傾け、それをそのまま記録している。いわばジャーナリスティックな手法を取り入れている点にも、この本の面白さがある。

 ジョルジュ・ヴァン・パリスは、シャンソン史上に残る有名な作品をいくつも作曲した。アリミとの対談で、作詞家たちとのコラボレーションについて自らこう語っている。
 「『二文のスミレ』"Deux sous de violettes" をジャン・アヌイと、『モンマルトルの丘』"La complainte de la Butte" をジャン・ルノワールと、『夜ごとの美女』"Les Belles de nuit" をルネ・クレールと、『いつの日か』"Un jour tu verras" をムルージと、『不実女の嘆き』"La complainte des infideles" をカルロ・リムと書いています」。
 有能な作詞家と作曲家との協力関係は、昔もいまも重要なポイントと言えるだろう。

 「どの作品も簡単に書けましたか」とのアリミの問には、意外な答が返された。
 ほとんどの作品はたやすかったようだ。が、ジャン・ルノワールが最初に書いた「モンマルトルの丘」の歌詞はまるで良くなくて、10回も書き直したという。
 ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌールが出演した映画『フレンチ・カンカン』。画面のなかでコラ・ヴォケールが蔭歌で歌ったこの名曲、監督自身が作詞をしたもの。こんなエピソードを語ることができるのも実作者ならではというところ。

 ヴァン・パリスの他にもボリス・ヴィアン、ジョルジュ・ブラッサンス、トレネなどともアリミは言葉を交わしている。その内容は次回に紹介したい。

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お  知  ら  せ

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イングリッド・ベタンクール解放を呼びかけるポスター

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☆『ディア・ピアフ ベスト・オブ・エディット・ピアフ』
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A.アリミの本を読みながらシャンソンについて考えた  2月17日(金)曇り

 

 アンドレ・アリミの著書《On connait la chanson》(オン・コネ・ラ・シャンソン)は興味深い本だ。2月13日付本欄で、このタイトルに二重の意味があることに触れた。

 ひとつは「私たちはシャンソンを知っている」。もうひとつは「だまされるものか」。フランス語の「シャンソン」"chanson" には「歌」と「お話」という、二つの意味がある。そこで、同じ単語からこんな違いが生じるわけだ。

 「シャンソンについてのたくさんの定義」"Mille et une definition de la chanson" という章がある。"Mille et une" の部分を直訳すれば「千と一」で、「たくさんの」というニュアンスを示している。
 では、アリミが集めた証言の一部に目を通してみよう。

 ジャン・コクトーはこう述べる。
 「シャンソンはひとりでに生まれてきたような印象を与えるべきだ。「私は知的なシャンソンだぞ」と大声で叫ぶことなく、人がそれと気づかないうちに知的であるべきだ」。
 なるほど、と感じさせる物言いだ。

 「ムーラン・ルージュの唄」を作曲したジョルジュ・オーリックは音楽面に着目する。
 「シャンソンは心惹かれる側面を持つべきだ。シャンソンのメロディーは心地良いものであるべきだ」。
 彼が書いたメロディーに乗って、赤い風車は今日もパリの街でまわっている。

 〈ラパン・アジル〉のあるモンマルトル界隈を舞台にした小説『霧の波止場』や、「ロンドンの娘」「マルガレットの唄」といったシャンソンを作詞したピエール・マックォルランはこんな風に言っている。
 「私を感動させることをシャンソンに望む。油絵やグワッシュで描けないシャンソンはすべて私にとって存在しないものだ。他方、シャンソンはドキュメンタリーであるべきだとも考える」。
 日常をありのまま活写しながら、絵にもなるような歌。それを彼はシャンソンに求めている。

 コレット・ルナールの代表曲「優しいイルマ」を作詞したアレクサンドル・ブレフォールの言い分はこうだ。
 「私を最も感動させるのは“人生の各瞬間”に結びついたシャンソンだ」。
 まったく同感。…そういえば、ビートルズも「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」(人生の一日)って歌ってたっけなぁ…

 では、著者であるアンドレ・アリミ自身はシャンソンについてどのように考えているんだろうか。
 作詞家・作曲家、音楽出版社、レコード会社、それに歌手自身にとって望ましいのはひとつのシャンソン(歌)が大勢の人たちに受け入れられ、ディスクが売れるという事態だろう。

 しかし、ここにひとつ注目すべき事象がある。売れているシャンソンが必ずしも歌詞の内容や音楽から見てクオリティの高い作品とは限らない、ということ。
 リスナーの多くはそれほど作品の出来不出来を気にするわけじゃない、そんなに堅苦しく考えなくたっていい、と言われれてしまえば、まぁ、それまでだけれども。

 とはいっても、アンドレ・アリミの言うことにもなかか捨てたものでもない。次回、引き続き彼の考え方を追ってみたい。

(つづく)

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お  知  ら  せ

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[出演]リシャール・ガリアーノ/タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/クロポルト/ダニエル・ミル/モーリス・ヴァンデール/シブーカ/クロード・ヌガロ/coba/続木力/深川和美/まや他

   


   

おトキさんのレコーディング現場にお邪魔して  2月15日(水)晴れ

 

 2005年に再刊されたアンドレ・アリミの著書について続けて書こうという心積もりだった。しかし、もっと書きたいことができた。
 それは昨日、1本の電話から始まった。
 受話器の向こう側の声がこう告げた。「トキコプランニングの加藤です」。その主はすぐに分った。加藤登紀子さんの姉上で同社社長の幸子さんだ。

 かれこれ十数年前、共同通信社のMさんからの紹介をいただいておトキさんと何度か親しくお話しする機会を得た。
 朝日新聞の「20世紀の100人」という連載のなかでエディット・ピアフについて書くM記者がパリ取材に行く際、引き合わせて下さったのが幸子さんだった。

 あの時、パリジャンのエリックも力を貸してくれたおかげでシャルル・アズナヴールにインタヴューすることもできた。いまも忘れられない、楽しい思い出だ。
 だから、幸子さんとおトキさんのためにお役に立ちたいといつも思っていた。

 いまおトキさんがレコーディングに入っている、とのお話だった。しかもシャンソン・フランセーズを多く収録するアルバムを作っているのだそうだ。そこで、僕に曲目解説を書くようにとの依頼だった。さらに幸子さんの話は続く。
 「今日午後4時から『愛の讃歌』などにストリングスをかぶせるんですけど、スタジオにいらっしゃらない?」
 他に予定もなかったし、大いに興味をそそられたのでオーチャードホール地下にあるレコーディングスタジオへ行くことを快諾した。

 そうだ、僕の本をお土産代わりに差し上げよう。そう思い、渋谷のブックファーストに立ち寄った。音楽書コーナーに『わが心のシャンソン』が1冊あったので買う。
 スタジオに入り幸子さん、おトキさんと挨拶を交わして本を手渡した。

 すでに「暗い日曜日」にストリングスのトラックを入れる作業が進んでいた。ユニバーサルの担当ディレクターSさんに紹介され、ライナーノーツの締め切り日などの打合わせをする。

 アレンジ担当のピアニスト・島健さんの指揮の下、弦楽四重奏のメンバーが何度も演奏する。
 カラオケの音だけを先に録っておいてヴォーカルにかぶせる、というのではない。おトキさんもその場でストリングスと同時に歌いながら進めていく。こうした丁寧な作り方はこの頃ではあまり見受けられなくなったなぁ。シンガーのエモーションを大切にした行き方と言えるだろう。

 アルバム全体のコンセプトをしっかりと把握しているディレクターSさん、敏速かつ的確に録音作業をするエンジニアたち、島さんをはじめとするミュージシャンたち、そしておトキさん。優れたプロフェッショナルたちの仕事ぶりは見ていて気持ちいい。
 ステージの現場も大好きだけれど、レコーディングの現場もまた熱気があって好きだ。

 それにしてもおトキさんはエネルギッシュだ。納得がいくまで自分のヴォーカルを録り直す。すでにいくつか残されているテイク間の微妙な差を感じ取り、「もう一度」と席を立つ。

 「愛の讃歌」に次いでオリジナル曲「時には昔の話を」を収録後、ストリングスのミュージシャンたちは帰って行った。
 次はパーカッションをフィーチュアした「恋の花ひらく時」に取りかかる。これまた今年発表の真新しいオリジナル・ナンバー。
 録音が終わる頃には時計の針はすでに夜11時に近い。ご本人はまだヴォーカルに満足していない様子。「午前1時を過ぎたあたりから絶好調になるんですよ」と言っていたSディレクターの台詞が脳裡をかすめる。

 東大在学中の1965年、第2回日本アマチュア・シャンソンコンクールで優勝、歌手になるきっかけをつかんだおトキさん。あれから数々のカヴァー曲、オリジナル曲を歌ってきているのは周知のとおり。
 でもやはり、彼女にはシャンソンがしっくりくることをスタジオの片隅で再確認できた。

 これからまだレコーディングを続けるおトキさんを残し、満たされた思いを抱いて帰途に着いた。

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お  知  ら  せ

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[出演]リシャール・ガリアーノ/タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/クロポルト/ダニエル・ミル/モーリス・ヴァンデール/シブーカ/クロード・ヌガロ/coba/続木力/深川和美/まや他

   


   

再刊されたアンドレ・アリミの本を読む(その1)  2月13日(月)

 

 パリの書店のシステムは興味深い。新刊書と値引きされた本が同じ棚に並んでいるのだ。
 背表紙に"Occasion"(中古品)と書かれた黄色いシールが貼ってあるのが目印。いちおう両方を見比べてみる。値引き本だからといって汚れていたり、傷があったりするわけじゃない。まったく新刊書と変わらない。
 ならば、と当然安い方を買うことにする。

 ジベール・ジョゼフ書店にもそんな本が1冊あった。
 アンドレ・アリミ Andre Halimi 著《On connait la chanson!》(L'Harmattan, 2005)。実はこの「オン・コネ・ラ・シャンソン」は1959年に刊行されている。それが昨年に再刊されたもの。題名を直訳すれば「私たちはシャンソンを知っている」という意味になる。

 また、"On connait la chanson" は「その台詞は聞き飽きたよ」とか、「言わなくても分ってる」「だまされるものか」といったニュアンスを含んだ表現にもなる。特に"!"が末尾につけられているところを見ると、こっちの意味合いが強いのかもしれない。
 いずれにもせよ切れ味鋭い物言いをするアリミのこと、上に挙げた両方の意味をかけてタイトルに選んだものだろう。

 初版発売の頃、注目を集めていたシンガー・ソングライター、ジョルジュ・ブラッサンスとギイ・ベアールの二人が序文を寄せているのも興味を惹く。アリミ自身が積極的にその実力を評価しているアーティストたちだ。

 表紙の写真を見てみよう。左からレオ・フェレ、モーリス・シュヴァリエ、セルジュ・ゲンズブールが並んでいる。

Andre Halimi 《On connait la chanson! 》

 左岸派として出発し、あくまで自らの信条を貫いて書き、歌い続けたフェレ。フランスのみならずインターナショナルな人気を得た歌手シュヴァリエ。知的なシャンソンを書いていたけれど、イエイエブームに乗る格好でそのスタイルを変え、アイドルにもどんどん作品を提供し、自らもヒットを放ったゲンズブール。
 異なるタイプの3人が選ばれているということは、アリミはいろいろなジャンルのシャンソンを認める立場を取っていることを表明しているのだろう。

 裏表紙を見る。と、アリミと一緒に写真に収まっているのはミッシェル・ポルナレフじゃないか。1960年代にブレイクすることになる天才メロディー・メーカー、ポルナレフをアリミは1959年の段階で認めていたというわけか。

ポルナレフとアンドレ・アリミ

 シャンソンについていろいろと大切な事柄が書かれている本だ。ホテルの屋根裏部屋で読み始めてやめられなくなった。読んだ内容をこれから少しずつ整理してみたいと考えている。

(つづく)

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お  知  ら  せ

詳細は10月25日付本欄をご参照願います。

イングリッド・ベタンクール解放を呼びかけるポスター

 国際イングリッド・ベタンクール連盟委員会が全世界的に幅広い支援を呼びかけています。詳細はサイトhttp://www.educweb.org/Ingrid/をご覧下さい。日本語でも読むことができます。

 サイトhttp://www.ingridbetancourt-idf.com/otages/にも注目して下さい。画面右にある"Telechargement"(テレシャルジュマン=ダウンロード)から、イングリッドのポスターをダウンロードできるようになっています。この「お知らせ」欄に掲げた写真と同じものです。

 同じページを下方へスクロールしていくと、左側に写真が縦に並べられています。いろいろなドキュメントを見ることができます。
 上から5番目に"Allumez une bougie"「ローソクを灯して」という項目があります。写真をクリックすると、多くのローソクが並ぶ画面になります。一番下にあるローソクの絵をクリックしてみましょう。その絵が動いてすでに光を放っている列に向かって進んで行きます。
 これで、ヴァーチャルなローソクを1本灯したことになるのです。


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☆『ディア・ピアフ ベスト・オブ・エディット・ピアフ』
(東芝EMI TOCP-67296)

ピアフを敬愛するアーティストたちがセレクトした11曲を含む珠玉のベスト・アルバム。
「恋人が一輪の花をくれた」石井好子 撰/「バラ色の人生」椎名林檎 撰/「パリの空の下」小野リサ 撰/「いつかの二人」クレモンティーヌ 撰/「水に流して」中島みゆき 撰 他全20曲、【解説】大野修平。


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おすすめシャンソン・フランセーズCD&DVD
(対訳または解説:大野修平)
   
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ユニバーサル・ミュージック・ジャパン
オーマガトキ

ジャック・ブレル
『ベスト・オブ・ジャック・ブレル Brel Infiniment Jacques Brel』
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『ベスト・オブ・アンリ・サルヴァドール』
Henri Salvador Henri Salvador
(CD2枚組 UICY-1258/9)

『アコーデオン』
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[監督]ピエール・バルー
[出演]リシャール・ガリアーノ/タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/クロポルト/ダニエル・ミル/モーリス・ヴァンデール/シブーカ/クロード・ヌガロ/coba/続木力/深川和美/まや他