いま、ポエジーのある歌が聴きたい!
大野修平著 『わが心のシャンソン 〜 そして詩人の魂をめぐって』

平凡社刊 定価:1575円[税込]全国の書店で好評発売中。

大野修平が出会った歌手とシャンソンたち。原詞と対訳を掲げてその魅力を探る。
〈収録アーティスト〉シャルル・トレネ/イヴ・モンタン/フランシス・ルマルク/レオ・フェレ/コラ・ヴォケール/セルジュ・ゲンズブール/ジャンヌ・モロー/ジャック・ブレル/ジョルジュ・ブラッサンス/ピエール・バルー/ジュリエット・グレコ/ジョルジュ・ムスタキ/ジルベール・ベコー/エディット・ピアフ/シャルル・アズナヴール そして21世紀のシャンソン歌手たち。


大野修平、最新の書き下ろしが刊行されました。
どうぞ書店でお手に取ってご覧下さい。

『哀愁と歓びのシャンソンの名曲20選〔CD付〕』
(中経出版)¥1,800

シャンソン関連のコラム、シャンソンゆかりの場所を示した
パリのイラスト地図も入ってます。
よろしかったらご感想やご意見をメールなどでお寄せ下さい。

◇ お 知 ら せ ◇
 大野修平が講師を担当する「シャンソン de フランス語」が始まりました。インターネットでフランス語のレッスンができます。ご利用には料金がかかりませんのでお気軽にどうぞ。
動画レッスンURL:http://www.unself.jp/
トップページから「語学」の項目をクリックしてお入り下さい。
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「わが母校、立教大学キャンパス内にあるツリー」

   


   

“風のうわさ”は本当だった!?  12月21日(金)晴れ

   

 ニコラ・サルコジ仏大統領がやってくれましたね。
 15日(土)、サルコジがカルラ・ブルーニを伴って、ユーロディズニーを堂々と歩いたことが大々的に報じられた。カルラ・ブルーニといえば、元トップモデルでいま売れっ子シンガー・ソングライター。〔日本ではカーラとされているけれど、彼女はイタリア系であることを考えてカルラと書いておく〕
 ほぉ〜、そこまでやるか。これが僕の率直な感想だ。潔いといえばまぁ、そうだけど。

 カルラ・ブルーニのデビュー・アルバムは、『ケルカン・マ・ディ〜風のうわさ』(V2Records Japan V2CP-181)。
 サルコジとの間柄は、どうやら“風のうわさ”ではなくなったようだ。

カルラ・ブルーニのアルバム 『ケルカン・マ・ディ〜風のうわさ』

 フランス人はそもそも、恋愛には寛容だ。ボクシングの世界チャンピオンになったマルセル・セルダンが、妻子持ちでありながらエディット・ピアフとの愛の日々を生きたことを人々は咎めなかった。

 フランソワ・ミッテラン元大統領に隠し子がいることが発覚した。それを問い詰めようとした時記者たちに向って、ミッテランは言い放った。「それがどうしたというんですか」"Et alors?(エ・アロール?)"。記者たちはそれ以上突っ込まなかった。おそらく、大方のフランス人もそうだろう。
 “不適切な関係”を謝罪せざるを得なかった、クリントン米元大統領とは天と地ほどの差だ。

 大統領といえどもひとりの男性だし、私生活では愛だの恋だのを楽しんだっていいじゃないの、と僕も考える。ただ問題は、それを公にするかどうかだ。
 密会現場をパパラッツィに撮影されてしまった、というなら仕方ない。ところがサルコジの場合、カメラマンたちがいるのを承知で二人のデート姿を撮らせたらしいのだ。「ル・ポワン・デュ・ジュール」や「パリ・マッチ」の表紙に使われた写真を見る(といってもウェブ上でだけれど)限り、ご両人とも「あ、見つかっちゃった」という様子は見受けられないから、きっとそうなんだろう。

 サルコジは2カ月前に離婚を正式発表した。今度はカルラ・ブルーニとのツーショット。
 私生活をさらけ出すこうしたやり方を、親しみやすいと評価する声もある。しかし、リベラシオン紙のパスカル・ヴィロ記者は12月19日付同紙電子版で、権力を笠に着た何でもありの現大統領の手法に冷たい視線を向けている。

 二人とも人前に身を晒すのが商売。隠していても、いずれは関係がバレることは大いにあり得る。それならば初めから公然と仲を認めてしまおう、というわけだろうか。そうしたくてもできない人たちから見れば、権力の濫用と言いたくもなろう。

 クリスマスも近いことだし、野暮なことはこれ以上言うのはやめておこう。
 改めてカルラ・ブルーニのハスキー・ヴォイスに耳を傾けてみると、「ケルカン・マ・ディ〜風のうわさ」でこんなことを歌っていた。

幸せはすぐ手の届く所にあるみたい、
だから私たちは手を伸ばして 気づいたら夢中になってるの。

Parait que le bonheur est a portee de main,
Alors on tend la main, et on se retrouve fou.

 友人のYasuが今年も、クリスマスのイリュミネーション輝くシャンゼリゼ大通りの写真を撮って送ってくれた。
 愛し合う人たちすべてに捧げたい。Joyeux Noel!(メリー・クリスマス!)

LEDで飾られたシャンゼリゼ大通りの並木

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エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
配給:ムービーアイ 今秋、有楽座ほか全国ロードショー!

エディット・ピアフを彷彿とさせるマリオン・コティヤール

ムービーアイ エンタテインメント(株) 映画配給部
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目1-2 ダヴィンチ銀座ビル4F 
TEL:03-5537-0151 FAX:03-5537-0853
http://www.movie-eye.com
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(C)2007 LEGENDE-TF1 INTERNATIONAL-TF1 FILMS PRODUCTION
OKKO PRODUCTION s.r.o.- SONGBIRD PICTURES LIMITED

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踏んだり蹴ったり  12月19日(水)晴れ

   

 この数日、体調がすぐれない。
 11月初めに顕著になった痛風。通院でいったん小康を得たと思ったら、また左足親指の付け根に少し痛みを覚えるようになった。続いた飲み会が祟ったものだろうか。月曜日に病院に駆けつけ、痛み止めと尿酸値を下げる薬を貰い、何とかしのいでいる。

 風もひいてしまい、咽喉が痛い。扁桃腺が腫れている。痰が切れない。熱だけはないので外出もできるけれど、何だか気分はすっきりしない。
 暮に来て痛風と風邪と、踏んだり蹴ったりの日々が続いている。字面だけをみるとこの両者、風に縁があるように見える。

 こんなことしか考えつかない今日…。ここはひとつ休養させていただくことにします。みなさんも風邪などお召しにならないよう、くれぐれもお気をつけてお過ごしください。

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エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
配給:ムービーアイ 今秋、有楽座ほか全国ロードショー!

エディット・ピアフを彷彿とさせるマリオン・コティヤール

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レ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュとの語らい  12月17日(月)晴れ

   

 年末を迎え、飲み会が続いて「ひとりごと」を書けませんでした。お詫び申し上げます。

 東京日仏学院内ラ・ブラスリーでのライヴを終えた、レ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュのメンバーに12月7日に会った。
 次のアルバムも日本発売が決まったので、曲目についての話を聞いた。インタヴューというよりは雑談に近いものだった。その時の話を今度書く解説に生かすつもりだ。

 陽気なレ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュの写真を見ながら楽しい雰囲気を味わっていただければと思う。

1.ピエール・ドラヴォー 私たちの来日はいつも大いなる喜びです。ではまたすぐに。Webサ・ガーズの来訪者のみなさんにキスを贈ります。ピエール

2.“マルソー”のジャヴァ(「サ・ガーズ」は彼の作品)はパリにスウィングを提供しました。日本でも同様だといいですね。ダヴィッド・リヴィエール

3.日本、ちょっと好き… とても好き… 熱烈に好き! ではまた。“スウィング”の友情をこめて ローラン

4.日本のみなさん、こんばんは。ローラン・Z

5.日本のみなさんの歓迎とご親切にありがとう! ドミニク・シュミット

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エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
配給:ムービーアイ 今秋、有楽座ほか全国ロードショー!

エディット・ピアフを彷彿とさせるマリオン・コティヤール

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楽しい忘年会  12月10日(月)晴れ

   

 早いもので、もう2007年も暮れていこうとしている。
 去年から今年にかけて、シャルル・アズナヴール来日絡みで何かと忙しい日々が続いた。2月の来日公演時、ミュージシャンとテクニカル・スタッフの通訳として、敬愛するアズナヴールを陰から支えることができた。僕にとって忘れられない一大イヴェントだった。

 秋にはオリヴィエ・ダアン監督映画『愛の讃歌〜エディット・ピアフ〜』公開に伴い、雑誌やプログラムに文章を書くことができた。
 名古屋在住の西山伊佐子さんプロデュースによるイヴェント、「ピアフへのオマージュ バラ色と黒の人生」に解説者として参加した。ピアニストのジェラール・ダゲールと同じステージを踏むことができたのも大いなる喜びとなって胸に残っている。

 充実した1年だったことを、一緒に仕事をさせていただいた方々に感謝したい。どうもありがとうございます。またご縁があったらお声をかけてくださいね。

 8日(土)は、銀座産経学園で僕が担当している講座「シャンソンのベル・エポック」の年内最終授業。いまはシャンソン・レアリスト(現実派シャンソン)を取り上げていて、この日はフレエル Frehel の「花のように」"Comme une fleur" と「ミュゼット」"Musette" を聴いた。

 授業の後、教室と同じ東芝ビルの8階にある<クルーズ・クルーズ>にて忘年会が行なわれた。幹事として大畠さん、安井さんが力を尽くしてくださり楽しい会となった。
 安井さんともども、日本橋三越文化センターで1990年に始まった本講座の第1回目から受講してくださっている太田さんがマイクを握り、「イントロクイズ」を実施された。全部で50曲。なかなか凝った選曲で、すぐには答が見つからないケースもあった。このクイズの賞品にと、ささやかなプレゼントとカードを僕が用意させていただいた。

 銀座産経学園でのもうひとつの僕の講座「フランス語でシャンソンを歌いましょう」からは宇田川さんが参加してくださった。
 そして、わが友人Yasuも駆けつけてきてくれた。写真撮影も快く引き受けてくれたのもありがたい。

 和気藹々のうちに会は盛り上がった。いつものように、中野さん、磯貝さん、小幡さん、鶴田さんに手伝っていただきながら「桜んぼの実る頃」"Le temps des cerises" を全員で歌ってお開き。

 まだまだ名残惜しいので、受講生のひとり、種子島さんが開いている<オトーニョ>という店に移動して二次会が続いた。

 改めて思う。受講生のみなさんに支えられて講座があり、僕自身も生きがいを感じることができる。
 みなさん、ありがとうございます。Joyeux Noel et bonne annee!(メリー・クリスマス、そして良いお年を!)

写真1:忘年会を仕切ってくださった、上段左から大畠さん、安井さん、下段左は山岸さん、小生

写真2:受講生のみなさんに囲まれて

写真3:「桜んぼの実る頃」でお開き。アコーディオン伴奏は前原克彦さん。

Phots:Yasu

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エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
配給:ムービーアイ 今秋、有楽座ほか全国ロードショー!

エディット・ピアフを彷彿とさせるマリオン・コティヤール

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“ガッジョ・ブレゾワ”たちの楽しい夕べ  12月7日(金)晴れ

   

 来日中しているマヌーシュ・スウィングのグループ、レ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュ Les Pommes De Ma Douche のライヴが一昨日5日(水)、東京日仏学院内ラ・ブラスリーであった。

 マヌーシュはフランスやスイスに住むロマ(ジプシー)たち。レ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュは、マヌーシュの血を引くジャンゴ・ランハルト Django Reinhaldt の音楽に見せられた5人の男たちのグループだ。
 とはいえ、彼らは真正マヌーシュではない。「フランスの中庭」とも呼ばれるブロワ出身の“ガッジョ・ブレゾワ”(Gadjo bresois:ブロワの非マヌーシュ)だ。マヌーシュの魂だけはしっかり受け止めているけれど。

 マヌーシュ・スウィングでは、ギターがすべての和音を同じテンポでリズムを刻む。それをポンプ奏法と呼ぶ。グループ名はその“ポンプ”に引っかけて“ポム”"Pommes"とした。この語、普通は「リンゴ」を指すけれど、マヌーシュの履くツートンカラーの「靴」の意味もある。
 ことほどさようにマヌーシュ・スウィングに凝っているグループ、それがレ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュなのだ。

 ピエール・ドラヴォー Pierre Delaveau がリズム・ギターを担当する。テンポ・キープの要だ。
 ソロを聴かせるギターはドミニク・ルーキエ Dominique Rouquier が弾く。ジョークや語呂合わせの曲名を思いつく、グループきっての愉快な男。
 ウッドベースで音楽を支えるのはローラン・ドラヴォー Laurent Delaveau、ピエールの実の息子。リーダーとしてレ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュをまとめている。
 ダヴィッド・リヴィエール David Riviere はアコーディオン担当。ヴァイオリンにはローラン・ゼレール Laurent Zeller。

 ラ・ブラスリーでのライヴは、彼らの敬愛してやまないジャンゴの名曲「ヌアージュ(雲)」で幕を閉じた。シャンソン歌手リュシエンヌ・ドリール Lucienne Delyle がジャンゴの伴奏で1942年に歌っている。マヌーシュ・スウィングとシャンソン・フランセーズは縁があるのだ。

 日本でもセカンド・アルバムが出ている。『今日も快晴、ウインクでスウィング』(プランクトン VIVO-238)。アルバムの原題はボリズ・ヴィアン Boris VIan 作≪On n'est pas la pour se faire engueler≫「怒鳴られるために人、ここにあらず」。ライヴではこの曲、全員で歌った。
 ザズー Zazou と称された1940年代の若者たちがパリを闊歩していた頃のシャンソンを中心に演奏している。

 フランスではこのアルバムの前にシャルル・トレネ Charles Trenet のシャンソンを集めたCDが出ている。
 というわけで、トレネの曲もライヴで聴けた。「青い花」"Fleur belue"、「ボンソワール ジョリ・マダム」"Bonsoir jolie Madame"、「太陽と月」"Le soleil a rendez-vous avec la lune"、 「残されし恋には」"Que reste-t-il de nos amours"…。
 アンリ・サルヴァドールの名曲「オオカミ、雌鹿と騎士さん」"Le loup, la biche et le chevalier"。

 懐かしいシャンソンの数々がマヌーシュ・スウィングのテイストに染められ、観客たちを幸せな気分に包んだ。演奏される度にひとつの曲が新たな相貌で蘇るのは、ジャズのいいところ。シャンソンとジャズの融合が心地良い。

 レ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュのメンバーと今日の夕方に会い、次のアルバムについての話を聞くことになっている。彼らとのお喋りの様子はまた次回に。
 一昨日のライヴの模様を撮影してきたので、楽しい雰囲気だけでも感じ取っていただけたらと思う。

演奏中のレ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュ

ドラヴォー親子の協演

マヌーシュ・スウィングとシャンソンの融合を楽しむ観客たち

(左から)ダヴィッド(acc)、ドミニク(g)、ローラン(b)とピエール(g)、ローラン(vln)。

『今日も快晴、ウインクでスウィング』(プランクトン VIVO-238)

〈曲目〉
1.ティックル・トウ 2.パリ・ジュテーム 3.あなたが旅に出るから 4.ルー・ロット〜ホットに行け! 5.最初のランデヴー 6.怒鳴れるために人、ここにあらず 7.パリのお嬢さん 8.ボサパン 9.僕はスウィング 10.二つの愛 11.S.V.P. 12.ガッジョ・ド・ポム 13.狼、雌鹿と騎士さん 14.東方の楽弓

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エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
配給:ムービーアイ 今秋、有楽座ほか全国ロードショー!

エディット・ピアフを彷彿とさせるマリオン・コティヤール

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冬の想い出… ひとつ、ふたつ  12月5日(水)晴れ

   

 昨日の東京地方では、日の入り時刻が午後4時28分だった。22日の冬至よりも早い、と聞いた。
 その時刻を少し過ぎるくらいまで外を歩いていた。吹き過ぎて行く風が肌に冷たく感じる。午後4時をまわったあたりから、陽射しはぐんぐんと弱まっていった。

 そんな早い日の暮れ時、ふと舗道に落ちているサイコロアメの箱が目に入った。発売元の明治製菓によると「サイコロキャラメル」が正式名称。しかし、僕たちの幼い時分には親しみをこめて“サイコロアメ”と呼んだものだった。
 歩行者たちが踏みつけたのだろう、まるで展開図みたいに押しつぶされている。赤い地に白丸で描かれたサイコロの目。紅白が逆のもあった。

懐かしの“サイコロアメ”明治製菓のサイトより引用

 寒い時期になるとお菓子屋の店先に並んだサイコロアメ。ひと箱に二粒、キャラメルが入っている。ひと箱5円ほどだったろうか。子供の頃にはその箱も、中身のキャラメルもずいぶん大きく、手からこぼれおちそうな感じがした。口に入れると、両方の頬っぺたの内側にキャラメルの角が当たるようだった。
 懐かしい冬の想い出だ。

 ところが、ずいぶん後になってサイコロアメを手にしたらかなり小さくなっている。ダウンサイジングによる実質値上げかな、なんて思った。
 それをある人に話したら、「そうじゃない」と言われた。「ほら、小学校にあった机や椅子とか校庭の鉄棒が、大人になってから見ると小さく思えるだろう。それと同じことだよ」。
 そうか、なるほど。掌いっぱいに広がったサイコロアメがくれたあの幸せは、もう僕のものじゃないんだ…。

 余談だけれど、この「サイコロキャラメル」は1927年から販売されているそうだ。いまも売られているロングセラー商品。
 実物をモデルにした「本物そっくりの明治キャラメルパズル」なんていうのまであって、インターネットで買える。(http://www.strapya.com/)このキャラメルの人気度が分ろうというものだ。

 そんな感慨に耽りながらさらに歩いて行くと、民家の垣根にサザンカが咲いているのが見えた。寒空にぽっと白い花が浮かび、見る者の心を和ませてくれる。
 ラテン語による学名では"Camellia sasanqua"(カメリア・ササンカ)。ちゃんと「ササンカ」の音が生かされているところが嬉しいですなぁ。

 冷たい北風にサザンカとくれば、童謡「たき火」(作詞:巽聖歌、作曲:渡辺茂)がすぐに思い浮かぶ。「さざんか さざんか 咲いた道 たき火だ たき火だ 落ち焚き…」。
 僕たちの子供の頃には、焚き火はどこでも当たり前に行なわれていた。だから、この歌の雰囲気が懐かしい。
 いまはもう都会では焚き火にお目にかかれない、想い出のなかの風景となってしまった。ちょっぴり寂しい。人家が密集していることなどを考えれば、これもやむを得ないのだろう。

 この童謡はどこで生まれたのだろう。
 「新宿・中野ネットタウン」(http://sakaue.vis.ne.jp/)に答があった。「童謡『たき火』発祥の地」という記事。作詞家・巽聖歌が1930、31(昭和5、6)年頃から13年間住んだという中野区上高田4丁目あたり。

 同サイトには嬉しいことにその近辺のケヤキの木とか、歌詞に出てくるような垣根の写真も添えてある。「発祥の地」を告げる立て札も立てられているのが見える。
 あの童謡がリアリティをもってくるのを感じる。

 時の流れに耐え、残るものがある。その流れに抗しきれず、姿を消してゆくものもある。
 僕たちの間にあるのが常態だったのにもかかわらず、いまはそれなしでも痛痒を感じないものたちを思うと寂しい。

 いや、ものに限った話ではない。ジョルジュ・ブラッサンスのシャンソンが心に沁みる。「あなたがいなくてもう寂しくないことが悲しい」"C'est triste de n'etre plus triste sans vous"。

 いまに残るものたちを大切にしたいとつくづく思う。

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エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
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こんな言葉が記憶に残った  12月3日(月)雨

   

 先週の水曜日、東京日仏学院で開催された「日仏音楽産業コンベンション2007」では、フランスからやって来たレーベル各社のプレゼンテーションがあったことはすでに書いたとおり。

 プレゼンテーションの間、 NΦ FΦRMAT!の担当者は、同社がリリースしたCDの見本を観客席にまわした。
 短時間のうちに中身を見て、すぐ次の人に手渡さなければならない。音を聴くことができるわけでもない。で、記憶に残ったのは、メリッサ・ラヴォー Melissa Lveaux のアルバムに添えられたライナーノートにあった次の一節だけ。

 「人生は出会いと選択でできている」。"La vie est faite de rencontre et de choix."
 このフレーズ、メリッサ自身のものか、ライナーノートを書いた人のものか、現物が手元にないので確かめようもない。

 それはともかく、僕にはなぜか印象的な言葉だった。
 「人生は出会い」とはよく言われることだ。この世に生まれ落ちて両親や兄弟たちや親戚の人たちと出会い、友人や教師といった人々と出会う。
 年齢を重ねるにつれて、出会いの回数も出会う相手の数も増えていくのが普通だろう。仕事でも出会いは大切だ。恋愛や結婚も出会いに左右される。

 先のフレーズでは、「人生は出会い」に続けて「選択」としているところが興味深い。僕だったらそこにどんな言葉を持ってくるだろうか。興味をそそられる表現に出会うと、そんな風に考えてしまう癖がある。

 「別れ」という語がすぐ思い浮かぶ。「人生は出会いと別れ」。対語になってしまい、当たり前すぎるなぁ。
 「迷い」はどうだろう。「人生は出会いと迷い」。おっ、語尾の“い”という音が韻を踏む感じじゃないか。

 あれこれの単語を頭のなかで弄んでみる。しかし、想像していたほど「出会い」という語に拮抗できる語が見つからない。いくつかの単語を当てはめてみたけれど、「出会い」という単語とバランスが取れないように感じる。どうも「出会い」の意味内容の方が重いようなのだ。
 単に僕のヴォキャブラリーが貧しいだけなのかもしれないけれど。

 元に戻ってみよう。
 「人生は出会いと選択でできている」。
 う〜む、言い換える必要のない表現になっているとつくづく思わされる。

 これを書いた人は、「出会い」と「選択」という二語を選んで人生を語った。それを読む僕たちは「なるほどね」と頷く。「いや、違う」と反発する人がいても、それはそれでいい。
 読む側としては、このフレーズとの「出会い」がまずある。その言わんとするところを受け入れるか、受け入れないか。そこに読む側の「選択」が働く。

 まさに「人生は出会いと選択でできている」。僕にはもう、付け加える言葉がない。

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エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜
配給:ムービーアイ 今秋、有楽座ほか全国ロードショー!

エディット・ピアフを彷彿とさせるマリオン・コティヤール

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『シャルル・アズナヴール/ベスト・ソングス&ライヴ』
      (東芝EMI TOCP-70188/89 2枚組)

CD1:ベスト・オブ・スタジオ
〈曲目〉1.コメディアン 2.希望に満ちて 3.想い出をみつめて 4.遠い想い出 5.昔気質の恋 6.フォー・ミー、フォルミダブル 7.ラ・マンマ 8.悲しみのヴェニス 9.ラ・ボエーム 10.これからは 11.人々の言うように 12.誰 13.想い出の瞳 14.時 15.私は旅する 16.生ける屍〜『言論犯罪』〜 17.きみが僕を愛する時 18.ユー・メイク・ミー・ソー・ヤング(フランク・シナトラとのデュエット曲) 19.少年がいた 20.世界の果てに

CD2: ベスト・オブ・ライヴ・オランピア
〈曲目〉1.それがわかれば 2.八月のパリ 3.すべては終わり 4.青春という宝〜帰り来ぬ青春 5.僕は戻ってくる 6.愚かな恋 7.燃えつきて 8.僕の肩でお泣き 9.ジャム・セッションのために 10.愛のあとで 11.生命をかけて 12.青春の思い出 13.二つのギター 14.戦いの前に 15.生きる喜び 16.声のない恋 17.きみの思い出 18.灯りを消して 19.のらくらもの 20.アヴェ・マリア

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お  知  ら  せ

詳細は10月25日付本欄をご参照願います。

イングリッド・ベタンクールかけポスター

 国際イングリッド・ベタンクール連盟委員会が全世界的に幅広い支援を呼びかけています。詳細はサイトhttp://www.educweb.org/Ingrid/をご覧下さい。日本語でも読むことができます。

 サイトhttp://www.ingridbetancourt-idf.com/otages/にも注目して下さい。画面右にある"Telechargement"(テレシャルジュマン=ダウンロード)から、イングリッドのポスターをダウンロードできるようになっています。この「お知らせ」欄に掲げた写真と同じものです。

 同じページを下方へスクロールしていくと、左側に写真が縦に並べられています。いろいろなドキュメントを見ることができます。
 上から5番目に"Allumez une bougie"「ローソクを灯して」という項目があります。写真をクリックすると、多くのローソクが並ぶ画面になります。一番下にあるローソクの絵をクリックしてみましょう。その絵が動いてすでに光を放っている列に向かって進んで行きます。
 これで、ヴァーチャルなローソクを1本灯したことになるのです。

イングリッド・ベタンクール解放を訴えるシャンソンたち

 囚われの身となっているイングリッドやその他の人々の解放を歌うことを通して呼びかけているアーティストたちがいます。

 ☆ルノー Renaud 《Dans la jungle》「ジャングルのなかで」(EMI 09463 494690 2)
サイトhttp://www.educweb.org/Ingrid/ からインストゥルメンタル・ヴァージョンをダウンロードできます。

 ☆セシレム Cecilem ピアノを弾きながら歌う女性歌手セシレムが"Chanson pour Ingrid" を歌っています。Emexのサイトからmp3形式でダウンロードできます。

http://emex-music.com/cecilem/

http://www.emex-music.com

歌を聴きながら、イングリッドと人質の方々を支援しましょう。


♪Petites annonces♪

☆『ディア・ピアフ ベスト・オブ・エディット・ピアフ』
(東芝EMI TOCP-67296)

ピアフを敬愛するアーティストたちがセレクトした11曲を含む珠玉のベスト・アルバム。
「恋人が一輪の花をくれた」石井好子 撰/「バラ色の人生」椎名林檎 撰/「パリの空の下」小野リサ 撰/「いつかの二人」クレモンティーヌ 撰/「水に流して」中島みゆき 撰 他全20曲、【解説】大野修平。


♪Petites annonces♪
おすすめシャンソン・フランセーズCD&DVD
(対訳または解説:大野修平)
   
東芝EMI
BMGファンハウス
『シャンソン名曲大全集』
Le florilege de la Chanson Francaise
(GSD-13601〜10/BCD-0094 CD10枚組)
『魅惑のシャンソン名曲集
 〜Vive la Chanson!〜』
TheCDClub
(EMI ODEON FFCP-41710〜1 CD2枚組)
パトリック・ブリュエル
『アントゥル=ドゥ』
(BVCM 34015〜16 CD2枚組)
☆このCDについての詳細は当サイト「ディスクガイド」をご参照下さい。
ユニバーサル・ミュージック・ジャパン
オーマガトキ

ジャック・ブレル
『ベスト・オブ・ジャック・ブレル Brel Infiniment Jacques Brel』
(UICY-9450)

アンリ・サルヴァドール
『ベスト・オブ・アンリ・サルヴァドール』
Henri Salvador Henri Salvador
(CD2枚組 UICY-1258/9)

『アコーデオン』
(DVD OMBX-1004)
[監督]ピエール・バルー
[出演]リシャール・ガリアーノ/タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/クロポルト/ダニエル・ミル/モーリス・ヴァンデール/シブーカ/クロード・ヌガロ/coba/続木力/深川和美/まや他